もっとも、子供にすれば登校は義務ではないから、保護者も学校も、子供が登校を望まない場合、不登校になっている場合に、子供を強制して登校させることはできない。今回の件とは離れるが、特にいじめに苦しむ子供たちに、登校を無理強いさせることは非常に大きな負担を課すことになるため、登校の無理強いはさせるべきではないと私は強く思う。

 しかし、義務教育を受けないこと自体は本来損だと思う。公立小学校の生徒1人当たりの教育費として年間で約90万円がかけられている。当然義務教育だから、この費用は各家庭にはかからない一方で、各家庭で小学校で行う教育水準を確保することにはかなりの負担になる。

 「子供の意思だから尊重する」は、使う大人がよく考える必要がある。

 先に記載したように、子供自身が日々大きく発達していく中にいる。これを「人格形成」の途中という。逆にいえば、今の彼らの意見が、本当に彼らの一貫した意思と呼んでいいのか、判断が非常に難しい。大人でも意見がコロコロ変わる人がいるが、大人が気分で意見を変えるのと違い、子供は、いわばその基礎になる人間自体が変わる。法も、子供本人の判断に責任を取らせないような工夫をしている。

 さらには、子供は自分の発言をしているように見えて、周囲の大人の顔を見て発言していることがあるだけに、さらに難しい。

 それは、ゆたぼんも発言しているような無理して学校に行く子の特徴だ。「学校に行ってほしい保護者の期待」に従って、いじめなどを受けている子が自分を押し殺して学校に行くのだ。

 もっとも、その「逆もある」ことに気を付けなければならない。

 というのも、不登校児の中には、保護者が学校との間に紛争を抱えていて、それを理由に学校に行けない子供がいる。また、影響力のある保護者が子供に、学校を否定的に伝えれば、子供は「学校を嫌い」というようになる。保護者の「学校に行ってほしくない期待」に子供が従っていくのだ。
※写真はイメージ(ゲッティ・イメージズ)
※写真はイメージ(ゲッティ・イメージズ)
 よく聞く似た事例では、夫婦でも他方の悪口を子供に吹き込み続けると、結果的に子供は、他方の親に対し異常な敵意を持ち、話しを(離婚後は面会交流を)全くしなくなるというものがある。