筆者: 私は沖縄県出身の者だが一度も自分を先住民族だと思ったことはない! あなた方は『沖縄の自己決定権の回復』を唱えているが、それは日本政府に沖縄県民を先住民族と認めさせて、その権利を獲得するということではないのか。
社大党職員: はい、そうです。
筆者: では、大事なことを隠しているのではないか? 先住民族の権利を獲得するかもしれないが、それにより、日本人としての権利を失うではないか。それを隠しているのは卑怯(ひきょう)だ。


 この追及に対し、社大党職員が言葉に詰まるだろうと予想していたが、思いもよらない回答が返ってきた。

 仲村さん、心配はいらないですよ。アイヌの人々は、既に政府により先住民族だと認められていますが、彼らは日本国民であり何の権利も失いませんよ。


 この答えに、筆者は衝撃を受けた。彼らの求める沖縄の「自己決定権」とは、総額3千億円の沖縄振興予算を受け取る権利を維持しながら、先住民族の土地の権利により、米軍基地を撤去する権利を新たに獲得する運動だったからだ。

 先住民族の特権のみを獲得しても、何一つ失うものはない。つまり、新たな巨大な「在日特権」が日本に出現するということを意味する。

 そして、彼女の言葉に、アイヌが先住民族として認められたのなら、いずれ沖縄も先住民族として認められるべきだという思いも込められていることにも、強い危機感を覚えた。

 2015年9月、沖縄県の翁長雄志前知事の国連人権理事会での演説に同行していた非政府組織(NGO)代表がいる。沖縄県民を先住民に認定させる運動を展開する「市民外交センター」代表で、恵泉女学園大の上村英明教授だ。
2019年2月24日、「反対」が有権者の4分の1を超える見込みとの報道を受け、那覇市内の県民投票連絡会の事務所で「頑張ろう」の声をあげる人たち(桐原正道撮影)
2019年2月24日、「反対」が有権者の4分の1を超える見込みとの報道を受け、那覇市内の県民投票連絡会の事務所で「頑張ろう」の声をあげる人たち(桐原正道撮影)
 NGO「反差別国際運動」が発行した「日本と沖縄~常識をこえて構成な社会をつくるために」にという小冊子に、彼のプロフィルが掲載されている。

 1987年以降、アイヌ民族の先住民族としての権利を支援し、国連人権機関を舞台に活動。1996年以降、琉球民族の代表の国連における活動を支援。2015年、翁長雄志沖縄県知事とともに、国連人権理事会に参加。


 つまり、彼は30年以上前から国連を舞台にアイヌの先住民族の権利を獲得させる運動を開始していた。さらに、沖縄についても県民や県出身者の全く知らないところで、同様の活動を20年以上続けてきたのだ。

 また、反差別国際運動のホームページ(HP)の人種差別の項目には、「日本には目に見えなくされた人種差別がある」とした上で、「その影響を受けているのは、部落、アイヌ、琉球・沖縄の人びと、日本の旧植民地出身者とその子孫、そして外国人・移住労働者です」と書かれている。