24時間営業を巡る議論や人手不足の問題など、平成30年を右肩上がりで成長し続けてきたコンビニのビジネスモデルが重大な岐路に立っている。令和時代に入り、コンビニはこれからどう変化していくのか。親会社の三菱商事から転じ、現在1万4500店舗、6000人の加盟店オーナーがいるローソン社長として4年目を迎えた竹増貞信氏(49)に、大手チェーンとして考える新たなコンビニ戦略を訊いた(聞き手/河野圭祐・ジャーナリスト)。

──今期、ローソンは出店数から退店数を引いた純増がゼロの見込みです。現在の過渡期をどう勝ち抜く?

竹増:グループに「成城石井」もありますし、健康志向の品揃えの「ナチュラルローソン」や、低価格ゾーンに振った「ローソンストア100」もある。そういうチャレンジを実行に移すスピード感や行動力は、加盟店オーナーにも我々にもあります。時には失敗もありますが、このチャレンジ精神こそ、ローソンのDNAでしょう。

──昨年10月には、ローソン銀行を開業しました。

竹増:キャッシュレス時代だからこそ、ベースとなる銀行口座を自前で持つことが活きてくるという考えです。

 ローソン銀行では、キャッシュレス支払いの手数料負担などに関する新しいサービスを検討中です。まだお話しできる段階ではありませんが、今年中には発表したいと考えています。

──他チェーンだけでなく、ドラッグストアなどライバルは増えているが、どう差別化していく?

ローソン社長の竹増貞信氏
ローソン社長の竹増貞信氏
竹増:惣菜やお弁当、おにぎりなど我々が自信を持つ商品群は、それなりの店舗網や物流網、専用工場などがないと提供できませんので、ドラッグストアとは差別化できると考えています。

 コンビニの武器は、やはり生活の一番近くにあり、世の中の変化に機動的に対応しやすいということ。コンビニ業界の飽和状態を指摘する方もいますが、女性の社会進出が進み、ご高齢の方が増え、若年層の消費観やライフスタイルも大きく変わってきています。

 その中で「生活に一番身近な場所にある」というコンビニ最大の強みを、まだ生かしきれているとは思えない。これからの課題は老若男女様々なニーズをどうやって取り込み、お客様により便利に、より効率的に、今の暮らし方に合ったコンビニの使い方をしていただくかでしょう。

 我々の魅力をもっと磨き、激変する世の中にいかに対応するか。ここにチャレンジすることが、コンビニのビジネスモデルをまた大きく変えていくと考えます。

【PROFILE】たけます・さだのぶ/1969年大阪府生まれ。1993年大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社し畜産部に配属。その後グループ企業の米国豚肉処理・加工製造会社勤務、三菱商事社長業務秘書などを経て、2014年ローソン副社長に。2016年6月から現職。

●聞き手/河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。ジャーナリスト。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

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