もともと「フランチャイズ」というシステムは、1850年代にシンガー社というミシンメーカーから始まったといわれています。

 その後、日本でも1960年頃からフランチャイズシステムが誕生し、70年代には既に確立した「物販系のビジネスノウハウ」をそのまま丸ごと「貸し出す」ようなフランチャイズシステムが多く誕生しました。マクドナルドやミスタードーナツ、各コンビニチェーンなどです。

 これらのフランチャイズシステムは、既に確立された「取り扱う商品・サービスの種類、販売手法、統一されたロゴマーク・店舗の内外装、キャンペーン」などの「ノウハウ」を借りて新たにビジネスを始めたい当事者と、今まで努力して獲得した「ノウハウ」を「貸し出す」ことでその対価としてのロイヤルティーを得たい当事者の思惑が一致した、独立・対等なビジネスモデルのはずでした。

 しかしながら実際には、コンビニ業界における「コンビニオーナー」と「本部」との間には、比較にならないほどの資本力の格差もありますし、「本部」が定めた「鉄板のルール」に従わないと、そもそも商品を供給してもらえなくなってしまいそうな厳しい関係にあるため、これまでずっと言われてきたように、決して独立・対等なビジネスではないわけです。

 なお、このような「コンビニオーナー」と「本部」の間の不公平感、依存度の高さ、格差、弱者と強者の関係などを改善すべく、これまで数多くの訴訟が起こされ、また、さまざまな行政指導が行われてきました。その際、「コンビニオーナー」側の勝訴率が高いのも事実です。
セブンーイレブン本木店で、営業時間短縮の実証実験が行われた=2019年3月22日、東京都足立区(川口良介撮影)
セブンーイレブン本木店で、営業時間短縮の実証実験が行われた=2019年3月22日、東京都足立区(川口良介撮影)
 ところが、裁判で個々の「コンビニオーナー」が勝訴したところで、その個々の「コンビニオーナー」との関係において幾ばくかの金銭が支払われるだけであり、他の多くの「コンビニオーナー」と「本部」の関係は何も変わりません。

 そして、行政指導といっても「コンビニオーナー」と「本部」の関係を総合的・根本的・全体的に変えるようなものではなく、例えば、「本部は、コンビニオーナーが消費期限の近い食品を割引販売することを禁止してはならない」などというように、個別具体的な指導をするだけです。