田矢信二(コンビニ研究家)

 日本の24時間営業は、高度経済成長に伴う時代変化の中、福島県郡山市のセブン-イレブン虎丸店で、コンビニエンスストア本部の実験によりスタートしました。

 その結果、「夜の売り上げだけでなく、昼間の売り上げも伸びる」ことが分かりました。この実験を受けて、コンビニ業界は拡大路線に舵(かじ)を切り、24時間営業が当たり前の「日本式コンビニ」に成長していきました。

 今、それとは真逆の動きが、加盟店側である東大阪の店舗から起こりました。人手不足による疲弊や経営難を理由に、本部のアドバイスや契約を無視する形で、時短営業に踏み切ったのです。この加盟店の行動が、本部と加盟店の対立がクローズアップされる起点となり、24時間営業の是非が問われるようになりました。

 それでも、コンビニ業界が24時間営業にこだわるのには理由があります。24時間営業こそがビジネスモデルの生命線だからです。ただ、人手不足などを背景に、コンビニが転換期を迎えているのも事実でしょう。

 便利さと価値ある商品の追求を通して、日本人の生活に無くてはならないお店となったコンビニは、効率的な物流が最重要です。大手3社だけでも、全国店舗数の平均が約1・7万店という規模を考えれば、効率の良い物流に変化を加えることは、容易なことではありません。

 さらには、物流のコスト増による影響で、商品単価の値上げなども予想できます。もし、顧客のニーズにあった価値ある商品を提供できなければ売り上げが減り、今までのような商品提供や便利なサービスの維持は難しくなるでしょう。
セブン-イレブンの店舗前に停まるトラック(ゲッティイメージズ)
セブン-イレブンの店舗前に停まるトラック(ゲッティイメージズ)
 物流は出店戦略と綿密な関係性を有するため、マーケットが大きい商圏や競合対策を必要とする、どうしても出店せざる得ないエリアに対しては、集中出店がより強化されます。また、顧客争奪戦や売り上げの影響を受けやすくもなります。

 そこで、集中的な出店を受けた加盟店経営者に本部が出店説明と個別対応の義務を徹底するなど、明確な基準を高めないといけないと思います。同時に、加盟店経営者のレベルに応じた出店や、複数出店の基準化を進めることも必要になってきます。