FCビジネスとは、本部がもうかる仕組みであることは、経営に携わっている人の共通認識だ。資金リスクは、ほぼ加盟店の自己資金で、本部は、もうかろうがもうかるまいが初期に加盟料で金を抜き、さらに、売上のロイヤルティーとして金を抜いていく。

 一方、失敗しても知らん顔で、本部は直営店のスクラップアンドビルドにおけるスクラップコストのリスクも最小で済み、出店の失敗リスクの最小化もできる。要は、FCビジネスとは夢のような本部がもうかるシステムだった。その中ではコンビニ業界は売上を保証しているだけ、リスクは本部も負担しているともいえるが、それでも、自前の出店よりはるかにリスクは小さい。

 そもそも、小売業はFCにかかわらず、基本立地がすべてだ。かつて、コンビニが「POS(Point of Sale)で勝った」とうたう書籍が並んだが、とにかく立地がいいところに一番早く出店することが、ブランド力の向上やいい商品を提供できる素地となっている。

 小売業は立地がすべてなのに、すでに5万店舗を超え、最近では出店するところがなくなってきている。昔は「2・5キロの商圏」だったが、その後「1キロの商圏」になり、今や歩いて数分の距離に同系列のコンビニがあるのが現状だ。

 かつては、いい立地に独壇場で稼いでいた店舗にも、同じ系列の店を乱立させ、保証を下回らない範囲で売り上げが減少するなどのケースもあった。ドミナント(同じ地域への集中出店)によって、本部としてはトータルの売り上げは増えるが、加盟店は話が違うと抗議する。抗議しても、最低保証に近づくまで、本部主導のやりたい放題も契約上は出来てしまう。

 FCビジネスでは、他にも問題になった在庫のたたき売り、いわゆる見切り販売(賞味期限直前の商品の値引き)も本部側に有利にできている。今から10年前、この在庫が1割もあると報道されたのは記憶に新しい。見切り販売を本部の指導を無視して行った加盟店には納品時に嫌がらせをするケースもあった。
所狭しとおにぎりなどが並ぶコンビニの食品棚。食品ロスの削減も課題となっている(ゲッティイメージズ)
所狭しとおにぎりなどが並ぶコンビニの食品棚。食品ロスの削減も課題となっている(ゲッティイメージズ)
 これも本部側に明らかに有利な契約であることは社会通念から見ても一般的である。本部は売上保証を下回らない限り、在庫は廃棄でも、本部のロスはゼロ、新規の在庫を押し込むことで損失ゼロだが、加盟店は廃棄分の仕入れ価格の損失に加え、廃棄処分コスト、新規の在庫買い取りコスト、という三重苦を余儀なくされる。

 これまでに、私はこうした実態をよく取材したが、この当時の独占禁止法の指導はないに等しかった。そもそも、所管する経済産業省も天下りを受け入れている業界からの反発には規制する側と反対する側で忖度合戦があり、この時点でも、24時間営業の加盟店の苦しさはあったが、クローズアップされなかった。そして、今回である。