2019年06月13日 17:28 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は12日、再選を目指す2020年大統領選で、対立候補に不利益をもたらすネガティブ情報の提供を外国政府が呼びかけてきた場合、それに応じると言明した。トランプ陣営は前回の大統領選で、ロシアからネガティブ情報を得て利用したとされ、大きな問題となっている。

米テレビ局ABCのインタビューで発言した(下のツイッターの動画はABCで放送されたもの。英語のみ)。

https://twitter.com/ABC/status/1138997667789328384

トランプ氏は、「情報があるなら、もらうと思う」と表明。「どこかの国の人が電話してきて『ライバルの情報がある』と言うなら、聞きたいと思うだろう」、「聞くだけなら問題ない」と述べた。

また、そうした行為は、外国政府による大統領選への介入には当たらないと主張。「介入じゃない。先方が情報をもっている。それはもらうと思う。何かまずいと思ったら、もしかしたらFBI(連邦捜査局)に連絡するかもしれない。もし何かまずいと思うことがあればだが」と語った。

そして、「対立候補に関する調査結果を誰かが持ち込んできたとしたら、そりゃあ……本音で議員と話したら、みんなやっている。みんなやってきたことだし、そういうものだ。オポ(対立候補)リサーチというやつだ」と述べた。

この日、トランプ氏の息子のドナルド・ジュニア氏が、ロシアとの関係について上院議会で質問を受けた。トランプ氏の発言は、それに合わせたものとの見方もある。

ロシア側がトランプ氏側に情報提供

前回の大統領選でトランプ氏は、民主党候補のヒラリー・クリントン氏と争った。

ロシア政府とつながりのある弁護士ナタリア・ヴェセルニツカヤ氏は、そのクリントン氏に関する「泥」(不利な情報)を持っていると、ドナルド・ジュニア氏にメールで連絡。同氏は「本当にそうなら、とてもいい」と返信した。

ドナルド・ジュニア氏と、トランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏、当時はトランプ陣営の選挙対策本部長だったポール・マナフォート受刑者(別件の共謀罪で有罪)の3人は2016年6月、ニューヨークのトランプタワーでヴェセルニツカヤ氏と面会した。トランプ氏が共和党の大統領候補に指名されることが確実となってから、2週間後のことだった。

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トランプ氏はこの日のABCインタビューで、ドナルド・ジュニア氏はメールを受け取ったときにFBIに通報すべきだったと思うかと問われると、「やめてくれ、物事はそういうものじゃない」と答えた。

ただその後、「何かまずいと思うことがあれば、FBIに連絡するかもしれない」という前述の発言をした。

ジュニア氏が議会で証言

この会合を含め、2016年大統領選には外国勢力が介入したとされる。司法省はロバート・ムラー特別検察官の捜査の結果、ロシア政府の組織的介入があったと認定する一方、トランプ陣営とロシアが共謀したことを裏付ける証拠はないという結論を示した。

ドナルド・ジュニア氏は2017年、議会に呼ばれ、ヴェセルニツカヤ氏との会合について証言した。ただし、民主党議員の一部は、ドナルド・ジュニア氏はうそをついたと考えている。

トランプ氏側は当初、ヴェセルニツカヤ氏との会合に関して、その目的を含めて矛盾する説明をしていた。

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この日、ドナルド・ジュニア氏は上院で、問題の会合について質問を受けたとみられている。証言を終えたドナルド・ジュニア氏は記者団に、「以前言ったことを変えてはいない。何も変わってないからだ」と述べた。

「弾劾すべき時」

民主党の大統領候補指名争いで、先頭を走っているとされるジョー・バイデン上院議員は、トランプ氏について、外国の介入を「歓迎している」と批判した。

バイデン氏らと指名を争うエリザベス・ウォーレン上院議員は、「ムラー報告書で明らかだ。外国政府が2016年大統領でトランプを支援した。トランプは協力を喜んで受け入れ、捜査を妨害した」、「またやると彼は言った。ドナルド・トランプを弾劾すべき時だ」とツイートした。

同じく民主党から大統領候補に名乗りを上げているカマラ・ハリス上院議員は、「中国が聞いている。ロシアが聞いている。北朝鮮が聞いている。本当のことを言おう。この大統領は国家安全保障の脅威だ」とツイートした。

(英語記事 Trump would 'take' foreign information on rival