2019年06月21日 12:18 公開

中東ホルムズ海峡付近の上空でイラン革命防衛隊が米軍の偵察ドローン(小型無人機)を撃墜した問題で、ドナルド・トランプ米大統領は20日、イランが「とても大きな間違いを犯した」と述べた。イランは米軍がイランの領空を侵犯したと主張している。

トランプ氏はその一方で、「意図的だとは信じがたい」と述べ、人為ミスの可能性もあると表明。

「たぶんイランは間違いを犯したのだと思う。将軍か誰かがが間違ってドローンを撃墜したのだろう」、「気ままで間抜けな人だったのかもしれない」と述べた。

米軍のドローンをめぐっては、イラン革命防衛隊が20日、イラン南部ホルモズガン州のクモバラク付近の上空で撃墜したと発表。同国のジャヴァド・ザリフ外相は、「撃墜があったイラン領海で」ドローンの一部を回収したとし、ドローンはアラブ首長国連邦(UAE)から「ステルスモード」で飛びたっていたと述べた。

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イランは、ドローンを撃墜した場面とする映像を公開した。内容の真偽は確認されていない。

https://twitter.com/irMilitaryTube/status/1141763828067307520


中東地域を管轄する米中央軍も同日、米海軍の偵察機がイランの地対空ミサイルによって撃ち落されたと発表。撃墜時は、ホルムズ海峡付近の国際水域の上空を飛行していたとし、「イラン上空を飛んでいたというイランの説明はうそだ」(米海軍報道官)と主張している。


トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、ドローンの撃墜を「厄介なことがまた新しく加わった」と表現。ドローンはイラン領空ではなく、国際水域の上空を飛んでいたと述べた。

「露骨な国際法違反」

一方、イランはドローンがイランの領空を侵犯したと主張している。

ジャヴァド・ザリフ外相は、アメリカが「我々の領空を侵犯している」とする訴えを国連に持ち込む考えを表明。

マジド・タフテ・ラヴァンチ国連大使は、イランは戦争を望んではいないが、敵対的な行為に対しては領空を防衛する権利があるとする書簡を国連事務総長に送った。ラヴァンチ氏は、ドローンは露骨に国際法に違反し、明らかにスパイ活動をしていたと主張した。

他国の反応は

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、アメリカとイランが戦争になれば「予想不可能な結果による大惨事」となるだろうと警告している。

国連のアントニオ・グテレス事務総長は、すべての関係者に最大限の抑制を求めた。

サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相はBBCに、イランの行為は「受け入れられない」ことを、同国に伝えようとしてきたと説明。「誰も戦争になってほしくない。だが、イランのこのような暴挙を認めるわけにはいかない。イランの関与を示す証拠はとても説得力がある。彼らはやると言っていたが、まさに今やっている」と述べた。

ドローン撃墜を受け、原油価格は前日比で5%近く跳ね上がった。

米ユナイテッド航空は、イラン上空を飛行する米ニューアーク発インド・ムンバイ行きの便を、「安全と治安面を慎重に検討」した結果、運航中止にした。

アメリカ国内では

米野党・民主党の幹部、ナンシー・ペロシ下院議長は、アメリカはイランと戦争をする気はないと表明した。次期大統領選の民主党候補指名争いで最有力のジョー・バイデン前副大統領は、トランプ氏の対イラン戦略を「自ら災難を引き起こすもの」と批判した。

チャック・シューマー上院院内総務(民主党)は、「大統領は戦争を意図していないのかもしれないが、大統領とその政権がへまをして戦争に突入することを心配している」とコメント。与党・共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務は、「慎重な対応」を求めた。

(英語記事 Drone downing by Iran 'accidental' , says Trump