6月始めのテレビ番組で、吉本興業に所属する加藤浩次さんと近藤春菜さんが「吉本興業との間で契約書を交わしていない」と発言していたことから、吉本興業は所属する芸人との間で契約書を作成していない可能性があります。

 しかし、口頭での契約でも契約としては有効であり、一般的にタレントは、上記①に関連し、専属義務条項に合意しています。「所属事務所を通さずに芸能活動を行い、報酬を得てはいけない」や、「タレントは所属事務所の専属タレントとして、本契約期間中、事務所の指示に従い、芸能活動を行うものとする。タレントは、事務所の事前承諾なくして、第三者のために芸能活動をしてはならない」といった条項です。

 この専属義務条項は、芸能界では当然の業界ルールであり、常識です。

  つまりタレントが闇営業を行う場合、すなわち、プロダクションを通さず、報酬を受け取る場合、この専属条項に違反しているわけで、芸能プロダクションは投資の回収ができず、ビジネスモデルが崩れることになるのです。なので、専属義務条項に違反した場合、契約が解除されるケースも多くあります。

 今回のケースは、吉本興業の芸人が専属義務条項に違反してしまったということも問題ですが、さらに問題なのが、闇営業として出席していたのが次に述べる反社集団の会合だったという点です。

 吉本興業の芸人が出席していた忘年会は振り込め詐欺を行っていた犯罪集団だったという情報があります。2015年に、警視庁が特殊詐欺を行っていた大規模詐欺集団のメンバーを40人近く逮捕しましたが、芸人が出席した忘年会がこの大規模詐欺集団の会合であり、主犯格の男や架け子や受け子もいたとの情報もあります。
謹慎処分となった雨上がり決死隊の宮迫博之さん
謹慎処分となった雨上がり決死隊の宮迫博之さん
 芸能界は昔から反社とのつながりが強いと言われています。吉本興業の場合、2011年に島田紳助さんが反社関係者とメールのやりとりをしていたとし、同氏は芸能界を引退することになりました。当時、吉本興業は「反社会的勢力との関係を断ち切る取り組みを一層強化していく」と言い、行動憲章でも法令の遵守や反社の排除を掲げていましたが、わずか3年後の2014年頃に今回のケースが起こってしまっていたわけで、芸人への教育不足や監督不行き届きを追及されるのは必至です。

 吉本興業は今回「反社会的勢力主催の会合であるとの認識はなく」と弁明していますが、吉本興業の内部を考えてみますと、各芸人にはマネジャーがついています。11人もの所属芸人、しかも宮迫さんレベルの芸人が本当にマネジャーやスタッフも知らない状況で忘年会に出席したのかという意見も出てくると考えられます。