しかし、個別論で当てはまることがあるにしても、構図全体として考えれば、実は相関関係が強いとは言いがたい。

 まず、大学の数は1989年に499校だったものが、2019年現在は782校と、283校も増加している。それでいて、廃校した大学は統合例を除けば、わずか15校しかない。

 先述の通り、大学は国・文科省の設置認可事業であるが、その中には大学が経営難に陥っても、教育が円滑に運営されるように、「安全装置」が二重三重に働く制度設計が施されている。それもあって、廃校に追い込まれる大学は世間一般が考える以上に少ない。

 定員割れの大学が多いことは事実だが、これもよく誤解される。定員割れということは、それだけ教育収入も不足することを意味する。

 民間企業であれば、経営収支の赤字状態が続くと遠からず倒産に追い込まれる。大学だって同じことだ、と誤解する人が実に多い。とあるビジネス週刊誌も、この誤解に基づき、そう簡単には廃校するわけがない国際基督教大(ICU)や創価大、玉川大などを「危ない私大」リストに入れ、関係者の怒りと失笑を買った。

 定員割れ大学は日本私立学校振興・共済事業団「私立大学・短期大学等入学志願動向」によると、2018年度で私立大学の582校中210校、つまり36・1%もある。

 産経新聞で定員割れ問題を論じた初めての記事は1993年3月24日朝刊「大学淘汰の時代が始まった」である。同年、定員割れ大学は385校中19校、全体の4・9%だった。

 増えてはいるが、「一時期に増加して、現在は減少傾向にある」が正しい。私大の定員割れがピークだったのは2014年で578校中265校、45・8%と実に5割近くを占めていた。4年には約36%なので、約10ポイントも低下したことになる。

 さらに注目したいのが、極端にひどい定員割れ状態だ。2019年、高等教育無償化法が可決され、来年からの実施が既に決まっている。経営状態の悪い大学は対象外となり、その基準の一つが「定員充足率80%未満が3年以上」というものである。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
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 そこで、定員充足率80%未満の大学校数と比率について調べると、ピークは2014年で122校、21・1%だった。それが、2015年以降は114校、19・7%、117校、20・3%、90校、15・5%と減っていき、2018年は39校、6・7%にまで低下している。

 背景には、地方私大を中心に大学改革が進んでいること、四年制大学の進学率の上昇、地方での地元志向の高まりなどが挙げられる。