2019年06月25日 15:00 公開

イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ国際高速列車「ユーロスター」が、乗客のアルコールの持ち込みを制限し、ソーシャルメディアで批判が噴き出している。ユーロスターは「快適な環境を保つ」ために必要だと主張している。

ユーロスターの規定では、車内に持ち込めるアルコールは、乗客1人あたりワインのボトル1本、あるいはビールのボトル4本または缶4本までと定められている。蒸留酒は持ち込めない。

過去には、スキーリゾートを通過する路線で、スポーツイベントの開催に伴い、アルコールの持ち込みが一時的に制限されたことがある。

持ち込み制限に変更があったのは昨年だが、乗客はようやく変更に気付き始めたとみられる。

乗客はうんざり

乗客のクレア・テート氏は英通信社PAに対し、この方針にはうんざりで、今後のユーロスターの利用について考え直すだろうと述べた。

テート氏は、「この方針は、酔っ払った状態で乗車し、行楽客の邪魔をするようなスポーツ・ファンのためのものだと思う。こういった旅行者に対しては、追加料金など何か対応が必要だ」と述べた。

ユーロスターやヨーロッパの長距離列車オリエント・エクスプレスなどに詳しく、列車専門サイト「seat61.com」を運営するマーク・スミス氏は、「ユーロスターは黙って荷物に関する方針を変更した。今では誰1人として、蒸留酒の小さなボトル1本さえ認められない。ワインボトル1本を超えてもいけない。これは完全に不必要なことだ。ユーロスターは列車であり、飛行機ではない」とツイートした。

スミス氏はBBCに対し、「以前までの規定は、皆が予測するような気楽なものだったのに。私はこの変更にがくぜんとしている。厳格なものになってしまったようでね」と述べた。

また、この変更によって、列車の旅が多くの乗客にとって「よりストレスの多いもの」になるだろうと付け加えた。

別の乗客のウィル・ロバーツ氏は、制限について、「クレイジーだ。つまり今後はブリュッセル旅行から帰宅する際に、ベルギービールの6缶セットを持ち帰れなくなるということ? ユーロスターを説得する方法はあるのか?」と述べた。

有料預け入れサービスの利用を

ユーロスターによると、アルコールの持ち込み制限を始めたのは、昨年の秋だという。

「この判断は、すべての乗客にとって快適な環境を保つためのものだ。自宅で楽しむために、制限以上のアルコールを運びたい方は、荷物預け入れサービス『ユーロ・ディスパッチ』を利用できる」

「ユーロ・ディスパッチ」は有料の荷物預け入れサービスで、荷物1つにつき最低30ユーロ(約3700円)がかかる。

没収や監視も

ユーロスターは、この制限の導入以降、何人の乗客がセキュリティ・チェックで足止めをくらったかは明かしていない。また、車内で購入できるアルコール量に対する制限の有無についても言及しなかった。

「すべての荷物は、空港と同じように検査機に通される。ユーロスターには、制限を超えるいかなるアルコールも没収する権限がある。我々は車内でのアルコール消費を監視している」と同社は説明している。

(英語記事 Eurostar defends alcohol limits on trains