調べてみると、次々と驚くべき事実が明らかになった。まず、東京福祉大における留学生の数は、348人(2013年度)から5133人(2018年度)にまで増大していた。これだけ短期間に留学生数がなんと15倍に膨れあがったというのは、他に例を見ない。いや、あり得ないし、あってはならない。お分かりだと思うが、これでまともな教育などできるわけがないからだ。事実、東京福祉大では教室が足りなくなり、あちらこちらに間借りをしていて、その一つが銭湯の2階だったという笑えない話は、報道されていた通りである。

 さらに、その留学生の8割以上、約4千人が「研究生」という名の非正規だったことも明らかになった。正規の学生は、受け入れ可能な上限枠が決められている。しかし、非正規留学生には数の制限がなく、事実上、青天井になっている。しかも、研究生なので、志願する方にも敷居は低いため、双方にとってメリットある手法だったわけだ。

 なお、その4千人の研究生は全員が、国内の日本語教育機関からの受け入れだったことも明らかになっている。当初私たちは、東京福祉大が直接、海外からブローカーなどを使って留学生をかき集めていたのではないかと思っていたのだが、そうではなく、国内の日本語学校から卒業生をかき集めていたのだ。

 この点が、自分たちは「日本語教育機関を修了・卒業した留学生の受け皿」であり、「なくてはならない存在なのだ」と東京福祉大が主張している根拠になっている。これはまさにその通りで、「大学進学率〇〇%!」という宣伝文句を出すために進学実績を確保したい日本語学校にとっては、東京福祉大のような存在は言ってみれば救世主だろう。

 そしてまた、東京福祉大の研究生の多くが、その後、今度は専門学校などに移っていく実態もあった。東京福祉大はグループ内に関連の専門学校を持っていて、そこに簡単に移っていける仕組みであり、グループ内で留学生を環流させながら、学生数と授業料収入を確保しているシステムだと思われる。
「適正校」の認定を取り消された東京福祉大の系列専門学校=2019年6月12日午後、名古屋市中区(共同)
「適正校」の認定を取り消された東京福祉大の系列専門学校=2019年6月12日午後、名古屋市中区(共同)
 つまり、今回、東京福祉大の問題で明らかになったのは、まさに留学制度を悪用した金もうけのための「ビジネスモデル」が構築されている実態だったと言える。いや、これは単なる授業料収入のためだけではない。同時に、各地で不足する労働力を外国人留学生で補い、経済やサービスを回して金を稼ぐというビジネスモデルにもなっているのだろう。東京福祉大だけでなく、全国で多くの教育機関が、このモデルに知ってか知らずか、関わっているということになる。