2019年06月26日 13:45 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は25日、緊張関係が続くイラン政府の発言を「無知で侮辱的」だと批判した。トランプ氏は前日、米軍偵察機の撃墜などへの報復として、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師に経済制裁を科すと発表。これに対しイランのハッサン・ロウハニ大統領が、ホワイトハウスは「知的障害」に陥っていると反発していた。

トランプ大統領はツイッターで、「アメリカは世界で群を抜く、最も強力な軍事力を備えている」とイランをけん制した。

「イランは現実を理解していない。何が対象だろうと、どういう形によってだろうと、イランがアメリカのものを攻撃した場合、アメリカは偉大で圧倒的な軍事力で応える。場所によっては、圧倒的というのは消滅を意味する」とトランプ氏は書いた。

アメリカは24日、イランの「攻撃的な行為」への報復として、ハメネイ師を含む多数の個人を対象に経済制裁を科すと発表。トランプ大統領は、ハメネイ師を制裁対象とすることについて、「イラン政権の敵対的行為に対する最終的な責任がある」ためとしている。

アメリカは、イランの政治と軍事に関して決定権をもつハメネイ師には、同国の革命防衛隊(IRGC)に資金援助できるほどの巨大な経済力があると主張している。マイク・ポンペオ米国務長官は昨年8月の演説で、950億ドル規模(約10兆2000億円)が「IRGCの裏金として使われた」と述べた。

一方でロウハニ大統領は、ハメネイ師が「所有するのは礼拝所と自宅1軒」のみで、アメリカによる制裁は「とんでもなく馬鹿げている」と批判。この制裁は、イランとの対話を望むと主張するアメリカ側の言い分が嘘だと示していると付け加えた。

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追加制裁の対象

複数のアナリストは、制裁は主に象徴的なものになるとみている。その一方で米財務省は、今回の措置によって数十億ドル相当の資産を凍結することになると主張する。

財務省によると、追加制裁は「イラン革命防衛隊(IRGC)の敵対的活動を統括する官僚組織の上層部」に属するイラン幹部指揮官8人も対象にしているという。IRGCは今月20日に米軍偵察機を撃墜したほか、今月13日に発生したオマーン沖でのタンカー爆破に関与したと米政府は主張している。

また、追加制裁により、「イラン指導者の経済資源へのアクセスを禁止するとともに、最高指導者や最高指導部に指名された特定の政府関係者たちも対象になる」と説明。イランによる外国の金融機関を通した取引も禁じる方針という。

これを受けてザリフ外相はツイッターで、アメリカは「外交を軽蔑している」と反発。トランプ政権について「戦争を渇望している」と批判した。

一方、スティーブン・ムニューシン米財務長官は、ザリフ氏も今週内に経済制裁の対象になると述べた。

高まる米・イランの緊張

アメリカが昨年5月、2015年に締結したイラン核合意から離脱して以降、米・イランの緊張は高まっている。トランプ大統領は同年11月、核合意の再交渉を迫るためイランへの制裁を再開した。

さらに今年5月には、イラン産の原油輸入を禁止する経済制裁について日本などに認めていた制裁の適応除外を打ち切った。

これに対抗する形でイランは先月8日、核合意について履行の一部を停止したと表明。今月17日には、低濃縮ウランの貯蔵量が、核合意で定められた上限を6月27日に超過すると発表した。

イランは7月7日にも、核合意の順守をさらに引き下げる新たな措置を発表するとしている。

(英語記事 Trump lashes out at 'ignorant and insulting' Iran