2019年06月26日 18:07 公開

ラッセル・ホッテン、BBCニュース

アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ市は25日、健康への影響評価を受けていない電子たばこの販売を禁止する条例を可決した。電子たばこの販売禁止は、同国で初めて。市長の署名を経て、7カ月後に発効されることになる。

この条例では、同市内の小売店での電子たばこの販売に加え、オンラインで購入されたものを同市内に配達することも禁止される。

同市には、アメリカで最も人気のある電子たばこメーカー「ジュール・ラブズ(Juul Labs)」が本社を置いている。

ジュール側は、この条例によって愛煙家は従来のたばこを再び使うようになり、「闇取引の繁栄を生み出す」ことになるだろうと述べた。

今回可決された条例が成立するには、10日以内にロンドン・ブリード市長の署名が必要となる。ブリード市長は署名する意向を示しており、署名から7カ月後に発効されることになる。

一方、企業側が訴訟を起す可能性があるとの報道もある。

電子たばこに反対する活動家は、企業側は香り付きの製品を販売し、意図的に若者をターゲットにしていると主張している。

健康への影響に関するより科学的な調査が必要なだけでなく、若者を従来のたばこから電子たばこに移行させてしまうと批判している。

今年3月、米食品医薬品局(FDA)は電子たばこに関する指針案を公表し、企業側に対し、2021年までに自社の電子たばこ製品の評価を受けるよう求めた。当初の期限は2018年8月だったが、後にFDAは、さらなる準備期間が必要との理由から期限を延長した。

電子たばこの販売禁止運動を行なっていたサンフランシスコ市のデニス・ヘレラ法務官は、今回の条例可決を称賛した。電子たばこの規制をめぐりFDAが「責任放棄」しているため、この条例は必要だと述べた。

たばこの死亡率

米疾病対策センター(CDC)によると、ニコチンを含む製品を使用していると答えた米国の若者の数は昨年、約36%増加した。電子たばこが普及したことが要因という。

アメリカの多くの州では、たばこ製品の購入は18歳から可能だが、カリフォルニア州や複数の州では21歳以上と定められている。

ジュールはこれまで、従来のたばこを入手できないようにするより厳格な措置が講じられる場合にのみ、若者に電子たばこをやめさせるよう支援するとしていた。

同社製の電子たばこは、USBよりやや長い小型のもので、米国内の電子たばこ市場で約7割のシェアを誇る。

同社の広報担当、テッド・クォン氏は、「今回の全面的な販売禁止は、電子たばこに切り替えられた成人の愛煙家を、致命的な従来のたばこへと逆戻りさせるだろう。未成年者のたばこの入手や使用の根本的な原因に対処するのではなく、闇取引の繁栄を生み出すことになるだろう」と話した。

また、「カリフォルニア州で毎年4万人が死亡している」従来のたばこ製品は「この条例の影響を受けない」だろうと述べた。

ジュールの株式の35%は、マルボロを製造するアルトリア・グループが有する。ジュールはすでに、マンゴーやきゅうりなど、人気の高い香り付の製品を小売店から撤去しているほか、インスタグラムやフェイスブックを閉鎖している。

(英語記事 San Francisco bans e-cigarette sales