また現在、他の戦略物資についても、個別の輸出許可申請が免除されている外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外する手続きが進行中である。政府が24日までパブリックコメントを受け付けた上で最終判断する。

 ちなみに、これらの手続きは特に異例なことでもない。今まで韓国を優遇してきた措置を、他国並みに戻しただけにすぎない。

 対象品目を禁輸したわけでもなければ、この手続き変更が保護貿易を目指すような「規制」ですらない。「輸出規制問題」としばしば報道されているが、妥当な表現とは思えない。

 はるか昔、海外への出国審査で、液体の持ち込みに厳しい制限は設けられていなかったはずだ。現在はどの空港でも厳格である。

 では、この措置を「旅行客の数量規制」と表現するだろうか。あくまでテロ予防などの安全対策をしているにすぎない。今回の手続き変更も、それと同じ趣旨と理解すべき問題だろう。

 テレビ朝日系『報道ステーション』での党首討論で飛び出した、コメンテーターの後藤謙次氏の発言は、まさにこの全くお門違いの解釈と言えよう。後藤氏は、安倍晋三首相(自民党総裁)に対して「G20で自由貿易を高らかにうたいあげたのに、その直後に対韓輸出規制することはそのメッセージと逆行するのではないか」と疑問を呈していたからである。
ジャーナリストの後藤謙次氏=2012年3月撮影
ジャーナリストの後藤謙次氏=2012年3月撮影
 一方で、韓国専門家にも今回の措置を自由貿易に逆行するものと解釈する人がいて、筆者は違和感をぬぐえない。ひょっとしたら、専門家すぎて「ミイラとりがミイラになる」ほど韓国を愛しすぎたのかもしれないと思えてくるほどだ。

 個人的な「愛情」はできるだけ控えた方がいいと思うのだが、この種の発言をすると、筆者の会員制交流サイト(SNS)のアカウントにまで食いついてくる人たちが出てくる。この種の反応は、他ではあまり見られないだけに、「韓国政府への批判」というものは特殊な成分を持つ危険なワードなのかもしれない。

 また、優遇措置を改める際に、政府は上記の「不適切な事案」が生じていること以外にも理由を挙げている。世耕弘成経済産業相は「今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の動きが相次ぎ、その上で、旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が示されなかった」ことを、ツイッターで説明を重ねている。