新生児の段階では、子供も動かず一日の多くを寝て過ごしてくれる。ミルクを飲ませるか、おむつを替えるか、沐浴(もくよく)をするかくらいしか仕事はなく、育児初心者のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の導入研修としては絶好の機会だ。まさにこの時期に、仕事をセーブして積極的に子育てをしようというのが男性の「育児休業」制度である。

 それにもかかわらず、日本においてはまだ男性育児休業の取得率は現状で6・16%(厚生労働省「2018年度雇用均等基本調査」)で、政府目標の2020年に13%取得を達成するのには2倍の開きがある。

 ただ、私が育児休業宣言をした3年前は2・8%だったので年々増えてきているのも事実だろう。この流れを加速させていくために障害となることは何か、そしてそれを乗り越えるために効果的なことについて、ここで整理していきたい。

 2015年12月、私が衆院議員時代に男性国会議員として初めて育児休業の取得を宣言したときは、大きな議論となった。その時に感じたのは、育休について大きな誤解があったことだ。

 育休というと「育児休暇」と異口同音に言われたものだ。正式には「育児休業」であり、決して「休暇」ではなく、夏季休暇といったバケーションの要素の強い言葉と並列して考えられがちだった。少し考えれば分かるのだが、育児は意義深いものであるし、楽しいものではあるが、バケーションのようなバラ色なものではない。これは私も真剣に育児に携わってみて痛感したことだ。

 子供をとりまく環境は目まぐるしく変化するし、毎日とにかく気が抜けない。できることなら育児休業制度ではなく、「育児専念」支援制度などと名称を変更した方が世の中の誤解を招くことなく、理解が広がるかもしれない。育休=バケーションということから国民の意識を脱却させることが、まずは大事だ。

 育児休業を取得すると国から給与の67%が国から支給される。「育児休業を取得しなかった理由」というアンケート(平成29年度三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査)の中で男性による回答の上位(15・5%)に「収入を減らしたくなかった」とある。

 こうした育児休業を取得した場合の収入面の不安も、大きな一つの課題だ。育児休業給付金の支給額は、月給30万円の人の場合は、約20万円の支給となる。
※写真はイメージです(GettyImages)
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 厳密には手取りは約8割の24万円程度なので、4万円程度が不足することになるのだが、若い世帯にとってはこの差額は大きく、貯蓄があまりない家庭にとっては大きな問題だろう。取得しても生活が安心できるように67%の支給から80%水準まで支給額を上げることによって、この15・5%の方々の不安は取り除くことができる。また、実際に現金が手元に届くのが、2~3カ月後になることについても、改善すべきだろう。

 私の育児休業取得宣言に対する議論で、最も大きかった反対意見が「大企業は育休取得をさせられるだろうが、中小企業では無理だろう」というものだ。確かに大企業は人材も豊富で、代打を立てることもしやすい環境がある。人材も資金も豊富ではない中小企業では確かに大企業に比べたら苦しいだろう。そこで厚労省は平成28年から「両立支援等助成金」を中小企業に出している。