資金源は軍用地地代


 法定得票数に達しなかった候補は供託金を没収される。その額は衆院選挙区立候補の場合300万円。軽い金額ではない。

 「300万円をドブに捨てているのではないか、その金で困っている人を助けられるのではないかとご批判もありました。しかしそれでもやらないといけないのが私なんですね」「私が唯一神の世界経済共同体を作らない限り、一人ひとりの困っている皆さんを助けられないんですよ」

 寄付も最も多いときで200万円ほどであるため、足りない分や実際の選挙活動費は、年400万円ほどある宜野湾市の普天間基地内に所有する軍用地の地代収入から拠出しているという。

 1~2年に1度のペースで出馬しているため、冗費は許されない。一張羅のグレーのスーツも、2年前の参院選の際に近所のスーパー「ライフ」で買った約1万円のものだ。

 「私はライフ育ちなんですよ。ライフで身を包んでます」。室内を見回しても電化製品の型は古く、本棚にいたっては3段のカラーボックスを2つ並べただけ。唯一神の生活は、実に質素だった。

「2ちゃんねらーの功績大」


参院選、JR新大久保駅前で演説する又吉光雄氏=2013年7月7日、東京都新宿区
 沖縄時代はほとんど夫婦2人だけで行っていた選挙活動だが、現在はボランティアによって支えられている。

 人数は19年の参院選の場合、50~60人ほど。ネット上で初めてブレークした15年衆院選では、巨大ネット掲示板「2ちゃんねる」を通じ、個人同士で連絡を取り合った若者約90人が手伝いに訪れたという。

 「2ちゃんねらーのみなさんが連れ立って、たくさん来ていただいたようです」

 当初は学生が多かった支持者層だが、6年がたった今では「外に出ましても声をかけてくださる皆さんが…あれ、世界経済共同体党もちょっと歳とってきたな、年期が入ってきたなと。皆さん、30歳ぐらいになってきてますよ」。

 そんな子や孫ほどに歳の離れた世代のボランティアや支持者たちに囲まれてあれこれ語らうのが、選挙期間中の何よりの楽しみ。

 彼らにパソコンの使い方を習ったり、公式サイトを作ってもらったりしたことを、好々爺の表情で語る。「唯一神又吉イエスにとって、2ちゃんねらーの皆さんの功績は大きいです。とっても大きいです」。

「本当に恩師です」


 「すごく優しくてとてもきめ細かい先生でした。子供心にも、大丈夫かな、と思ったほどに」。学習塾経営時代の又吉代表の教え子だった那覇市の映画館「桜坂劇場」番組責任者の真喜屋力(まきやつとむ)さん(42)は、当時の印象をこう話した。

 「目がまっすぐな人でした。今はやせて目だけギョロッとした感じなんですが、昔はもっとぽっちゃりしていた」

 小中学生を対象に、全教科を又吉代表がみる小さな個人塾。月謝は4000円程度で、当時としても格安だった。教え方は徹底した教科書中心主義で、問題を理解するまでやる。「熱心に、意味を考えるよう教えてくれました。車での送り迎えもあった」という。

 「本当に恩師です。おかげさまで、立派に…かどうかはともかく、社会人としてやっています。今でも感謝しています」。真喜屋さんはいつか又吉代表に会ってそう伝えたいという。(磨井慎吾)