だが、野党の「体たらく」に輪をかけてこの選挙中に目立つのが、マスコミの報道姿勢の深刻な「歪(ゆが)み」である。この選挙期間中のマスコミの報道は、いつにも増して、とんでもない歪みとなっていることが、インターネットを通じて明らかにされている。

 実際の選挙においては、改憲勢力(仮)と非改憲勢力との闘いかもしれないが、他方で「新聞・テレビvsネット」とでもいうべき攻防戦が繰り広げられている。そして、既存の新聞やテレビなどのマスコミは、その歪みによって、自沈ないし自壊しているのではないかとさえ思える。

 特に驚いたのが、参院選比例代表に立候補している自民党現職の和田政宗氏の街頭活動中に起こった暴行をめぐるテレビ局公式ツイッターアカウントの「発言」だった。7月10日に和田氏が街頭演説後に商店街を練り歩きしているとき、通行中の男性に胸の辺りを素手で2度ほど強く小突かれたのである。この様子は動画でも記録されていて、事実に間違いない。

 全く異様な行動であり、犯人は摘発され罰せられるべきである。一般論として、他人からこのような身体的な暴力をこうむることは、周囲が考える以上に当人にとって心理的にも打撃だろう。肉体的な傷を負わなかったことは不幸中の幸いである。

 だが、メディアの意見は違うようである。中部日本放送(CBC)の報道部の公式ツイッターアカウントで、「ちょっと小突かれただけで、暴行事件とは。大げさというより、売名行為」と投稿されたのだ。あまりにも社会常識を逸脱した発言だろう。

 先述の通り、和田氏は参院選の候補者であり、これを「売名行為」と評することは、要するに選挙目的だとでもいいたいのだろう。尋常ではない発想である。

 当然和田氏本人、そしてネット世論の大勢が、この発言を猛烈に批判した。それに対して、CBC側は上記の投稿を削除し、「当該者の方に、大変ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫(わ)びいたします」とホームページ上で謝罪した。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 だが、この謝罪は納得し難いものだった。CBC側によると「弊社報道部の意思に基づくものではありません」と説明したうえで、アクセス権を有する報道部員が投稿した形跡は確認できなかった、と言い切っている。