2019年07月16日 14:00 公開

イギリスの与党・保守党党首選に立候補しているボリス・ジョンソン前外相とジェレミー・ハント外相は15日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が野党・民主党の非白人の女性下院議員に「もといた国に帰れ」と述べたツイートをそろって非難した。

2人はこの日、英紙サンが主催する討論会に参加。ハント氏はトランプ氏のツイートを「非常に侮辱的だ」と述べ、ジョンソン氏も「受け入れられない」と話した。

一方、両者ともトランプ氏のコメントが人種差別的だとは指摘しなかった。

アメリカ生まれの議員に…

トランプ氏は14日、これらの女性議員は「政府がまったく完全にひどいことになっている国からもともと来た」とツイート。名指しはしなかったものの、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員、ラシーダ・タリーブ議員、アヤナ・プレスリー議員、イルハン・オマール議員のことだと広く受け止められている。

4人のうち、オカシオ・コルテス議員、タリーブ議員、プレスリー議員はいずれもアメリカで生まれ育った。ソマリア生まれのオマール議員は、12歳で家族と共にアメリカに難民として亡命した。

トランプ氏の発言は人種差別だと批判の声が上がっているが、トランプ氏は15日、ツイートで攻撃を重ねた。女性議員らは「アメリカを憎んでいる」と主張したほか、女性議員らに謝罪を求めた。

女性議員4人はいずれもトランプ氏を人種差別主義者だと非難し、民主党議員からの支持も得ている。

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ハント氏の妻は中国人で、夫妻の3人の子供はイギリスで生まれている。

討論会でトランプ氏の発言について聞かれたハント氏は、自分の子供がそのようなことを言われたら「心底ショックを受けるだろう」と話し、「まったく非イギリス的なことで、そんなことが起こらないと願う」と付け加えた。

ジョンソン氏は、「多様な人種と文化を持つ素晴らしい社会のリーダーなら、もといた場所に戻れなどということは言えるはずがない」と指摘した。

しかし、司会を務めたサンのトム・ニュートン=ダン政治編集長にトランプ氏の発言は人種差別的だと思うかと質問されると、両者ともその言葉は使わないと述べた。

ハント氏は、「私は外相で、相手はイギリスに最も近しい友好国の大統領だ。アメリカの大統領に対してそういった言葉を使っても状況を助けることにはならない」と話した。

「この国にいる多くの人が、私のような政治家にそういった言葉を使ってほしいと思っていることは理解できる。しかし(中略)ここではっきりさせたいのは、私にとっても、人々がこうした(トランプ氏のような)発言をまだしているという事実が非常に不愉快だということだ」

一方ジョンソン氏は、「あの国の大統領がこんなことを言えたのが理解できない」と述べ、「私の言葉から、トランプ大統領の発言を私がどう思っているか感じられるだろう」と強調した。

アメリカとの通商関係

この日の討論会では、アメリカとの将来の通商関係についても質問があった。

ハント氏は、大統領や政権関係者は会うたびに通商協定締結に「とても熱心だと強調してきた」と話した。しかし、トランプ氏は「とても手ごわく粗野な」交渉相手だとも述べた。

ジョンソン氏もトランプ政権は「容赦がない」と認め、イギリスとの協定でも「厳しい条件」を突きつけてくるだろうと話した。だが、「良い協定を結べない」ということではないとしている。

(英語記事 PM candidates condemn Trump 'go back' tweets