2019年07月17日 12:06 公開

国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事(63)は16日、欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に就任する見通しとなったことを受けて、9月12日付で辞任すると発表した。

ラガルド専務理事は、「ECB総裁への指名手続きが大幅に明確になったこと、そしてそれにかかる時間を考慮した結果、IMFの最善の利益のために、この決断を下した。取締役会は、新しい専務理事の選任手続きを進めるため、必要な措置を講じることになる」と述べた。

欧州理事会が人事を承認すれば、ラガルド氏は女性として初めてECB総裁に就任することとなる。ECB総裁は、ユーロ圏の金融政策を担う。

国際金融の「ロックスター」、数々の「女性初」を成し遂げる

フランス・パリ生まれのラガルド氏は、国際金融の「ロックスター」として知られる。

パリ第10大学ロースクールを卒業後、エクス=アン=プロヴァンス政治学院で修士号を取得した。パリ弁護士資格を取得後、国際法律事務所「ベーカー&マッケンジー」で弁護士として働き始めた。

2005年に対外貿易担当相としてフランス政府に初入閣。2007年から当時のフランソワ・フィヨン内閣で、経済・財政・産業相を務め、G7初の女性経済・財政相となるなど、様々な閣僚ポストを経験。

性的暴行容疑で逮捕・起訴された当時のドミニク・ストロス=カーンIMF専務理事の後任として、2011年に女性として初めてIMF専務理事に就任した。

影響力のある女性

ラガルド氏は、米誌フォーブス(Forbes)が選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」で、常に上位に名を連ねてきた。

IMFの信頼回復にも尽力した。IMFは2010年にギリシャの財政危機を救済する際、ギリシャ政府の債務が持続可能だとの印象を与えるため自らの規則を曲げていたことが明らかになっていた。

ラガルド氏は昨年、通貨ペソが急落する中、アルゼンチンへ570億ドルを融資することで合意をまとめたことでも評価された。

ECBへの指名が噂された当初は、その可能性を否定していたものの、後に指名を受けることは「名誉」だと述べていた。

能力が試される人事に

ECB総裁の職務は、以前、自分には経済分野での経験がほとんどないと認めていたラガルド氏の能力を、試すものになりそうだ。

一方で元IMF関係者は、ラガルド氏のIMFでのリーダーシップは、ECBの経営に「非常に適任」であることを示しているとみている。

(英語記事 Christine Lagarde resigns as head of IMF