2019年07月19日 12:43 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は18日、中東のホルムズ海峡で、米海軍艦艇に接近したイランのドローン(小型無人機)を撃墜したと明らかにした。

トランプ大統領によると、ドローンが米海軍の強襲揚陸艦「USSボクサー」に914メートルほどの距離まで接近したため、「防衛措置を講じた」という。

イラン側は、このドローン撃墜に関する情報はないとしている。

6月には、イラン革命防衛隊(IRGC)がイラン上空で、アメリカの偵察ドローンを撃墜している。イランは米軍がイランの領空を侵犯したと主張している。

トランプ大統領の主張

トランプ大統領はホワイトハウスで、「今日、ホルムズ海峡で発生した、海軍の強襲揚陸艦『USSボクサー』を巻き込んだ事件について、皆にお伝えしたい」と切り出した。

「ボクサーは、非常にかなり近い距離にまで、およそ1000ヤード(約914メートル)の距離にまで接近してきたイランのドローンに対し、防衛措置を講じた。艦艇から離れるよう複数回警告したが、これを無視し、艦艇と乗員の安全を脅かしたからだ。ドローンはただちに破壊された」

「これは、国際水域で活動する船舶に対する、イランによる数々の挑発的かつ敵対的行為における、新たな攻撃だ。アメリカには、自国の軍人や施設、利益を守る権利がある」

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軍事衝突に発展も

イランをめぐっては、アメリカとの軍事衝突に発展しかねないとの懸念が生じている。

イランは18日、ホルムズ海峡にあるイラン領ララク島沖で、原油を密輸しようとした「外国船籍のタンカー」と乗組員12人を、14日に拿捕(だほ)したと明らかにした。これを受けて米国務省は、乗組員の即時解放を求めている。

イラン国営メディアが伝えたところによると、IRGCは、拿捕したタンカーが原油100万リットルを密輸しようとしていたと主張している。イランが公開した映像では、拿捕されたのはパナマ船籍の「リア」というタンカーだと確認できる。

ホルムズ海峡では、11日にも、イランのボート3隻がイギリスの石油タンカー「ブリティッシュ・ヘリテージ」を妨害。5月には、アラブ首長国連邦(UAE)沖で、サウジアラビアの石油タンカー4隻が攻撃される事件が発生した。米当局はイランが関与したとの見方を示しているが、イランはこれを否定している。

事件の背景

アメリカが昨年5月、2015年に締結したイラン核合意から離脱して以降、米・イランの緊張は高まっている。トランプ大統領は同年11月、核合意の再交渉を迫るためイランへの制裁を再開した。

今年5月にアラブ首長国連邦(UAE)沖で、サウジアラビアの石油タンカー4隻が攻撃された事件や、中東オマーン湾で6月13日、タンカー2隻が爆発した事件について、アメリカはイランが関与しているとして非難している。一方、イランはすべての事件への関与を否定している。

今年6月には、IRGCが、イランの領空を侵犯したとしてアメリカのドローンを撃墜。ドローン撃墜は、「アメリカへの明白なメッセージだ」としている。一方アメリカ軍は、ドローンは当時、国際水域上空を飛行しており、「いわれのない攻撃」を受けたと非難した。

イギリスもイランと

イギリス海軍は今月4日、ジブラルタル当局の要請を受け、イランの石油タンカー1隻を拿捕している。欧州連合(EU)の制裁に反してシリアに石油を運んでいた証拠があったためという。

これに対してイラン政府は、タンカーを解放しなければイギリスの石油タンカーを捕獲すると警告していた。また、駐イラン英国大使を召喚し、「海賊行為」だと非難した。

ケネス・マッケンジー米中央軍司令官は18日、訪問先のサウジアラビアで、ホルムズ海峡周辺で、船舶が自由に航行するための解決策を見つけるために、「積極的に」取り組んでいると、ロイター通信に述べた。

(英語記事 US says it shot down an Iranian drone