2019年07月19日 15:53 公開

左足を事故で切断したフランスの男性が、たばこの害を警告するパッケージ広告に、自分の足の写真を無断で使われ憤慨している。

一方、写真の使用を管理する立場の欧州委員会(EC)は、写っているのはこの男性ではないと反論している。

問題となっているのは、「喫煙は動脈を詰まらせます」というメッセージとともに表示されている、腰から膝までの写真。左足の切断部分がはっきり確認できる。

たばことは無関係

フランス東部メスに住むアルバニア出身の男性(60)は、写真の使用を許可したことはないと主張している。

また、そもそも左足の切断とたばこは無関係で、1997年に出身国アルバニアで射撃事故に遭ったのが、左足切断の原因だとしている。

パッケージに使われた写真は、2018年に地元の病院で、歩行補助具が合うか確認したときに撮影されたものとみられるという。

息子が最初に気づいた

フランスのメディアによると、写真を最初に発見したのは、男性の息子だった。息子が昨年、ルクセンブルクでたばこを買った際、パッケージに出ていた写真が父親だと気づいた。

息子は、父親の左足のやけどと傷が特徴的なことから、すぐに認識したという。

息子はたばこをフランスの家に持ち帰り、だまってテーブルに置いた。それを見た父親の娘もすぐ、父親の足だとわかった。

娘は地元紙に、「びっくりした。信じられなかった。でも私たちのお父さんだった。傷に同じ特徴があった」と話した。

尊厳を傷つけられた

男性の弁護士は、「傷の一つひとつが特徴的で違いがある。男性はもう片方の足にはやけどの跡があり、非常にくっきりしている。専門家であれば、写真を見て男性だとすぐ気づくだろう」と話す。

また、「誰かの写真がその人の同意なしに、欧州連合(EU)で出回っているたばこのパッケージに使われるなんて驚きだ。男性は裏切られたと感じており、自分の障害がたばこのパッケージでさらされているのを見て、尊厳を傷つけられている」と訴えている。

弁護士は、写真がどのような経緯で使われたのか、病院に文書で質問したという。

ECは男性の間違いと主張

一方で仏紙ル・パリジャンは、問題の写真は2017年のEUの反たばこキャンペーンで使用されたものだと指摘。写真は2018年に撮影されたという男性の主張に、疑問を投げかけている。

また、同じ写真は2014年から、EUの画像データベースにあったと報じている。

同紙はさらに、病院にも取材したが、男性の話を裏付けることはできなかったとしている。

ECの報道官は同紙に、「このキャンペーンで撮影した全員について、身元確認をし、合意と権利を取っている。すでに得ている情報から判断すると、今回の人物(男性)は該当しないと、断言できる」と話している。

(英語記事 Man spots 'own amputation' on cigarette packets