上西小百合(前衆院議員)

 参議院選挙の結果を見て、今回は真新しい風景がたくさんあるなとしみじみ思っている。与党や維新はいつも通りなのだが、新しく出てきたばかりの野党が、彼らなりのやり方である種の奮闘を見せたことは意外だった。

 私は大阪で生まれ育ち、選挙も大阪選挙区から出馬して、衆議院議員を二期務めたので保守が強いのが当たり前の空気に囲まれていたのだが、都心部周辺(東京など)をまわるとそれは一転する。リベラルがかなりの人気を誇っているのだ。

 「れいわ新選組」山本太郎代表が各地で街頭演説をすると、とんでもない数の群衆が押し寄せる。そこには、維新の代表として、大阪でムーブメントを起こした時の橋下徹氏同様の熱狂的なものがあった。

 リベラルと保守の違いはあれども、新しい政党が、どうにかして変えてくれるのではないかという淡い期待を抱いた日本国民が熱狂したのだ。れいわ新選組の山本太郎代表と当時の維新橋下徹氏の手腕は、カリスマ的だ。

 私が衆議院議員の任期を終えてから、よく「なぜ、維新はこんなに選挙に強いのでしょうか」という取材を受ける。確かに、そう聞きたくなるのも分からないわけではない。唯一無二の維新の象徴であった橋下氏は維新を去り、写真も一切使用禁止というお触れが出ているのだから、危機的状況に陥ってもおかしくはなかった。

 それに加えて、国政での維新の評価は、与党でも野党でもない「ゆ党」だの「虎(自民党)の威を借る狐(きつね)」だの「自民党の補完勢力」などと散々な言われようだ。中には再選を不安視した議員が存在感を出そうと国会質問の場で「あほ」「ばか」などと品位のない言葉を発し、懲罰委員会が開かれようが、特に気にも留めないで平然といるような状況だ。

 私でさえも国会にいるときには「こんなことでは支持者が離れ、次の選挙で維新は議席を半減させてしまうのではないか」と心配したものだが、維新はとにかく選挙になると驚くべき底力で踏ん張るのだ。
当選確実の報を受け、ガンバローコールする日本維新の会・東徹候補(左)と梅村みずほ候補(右)=21日午後、大阪市北区(渡辺恭晃撮影)
当選確実の報を受け、ガンバローコールする日本維新の会・東徹候補(左)と梅村みずほ候補(右)=2019年7月21日、大阪市北区(渡辺恭晃撮影)
 この部分には一目置くべきところがあって、彼らの「何としても当選するぞ」という議員であることへの執着心からくる戦略がいつも功(こう)を成すのである。