2019年07月30日 15:44 公開

ロシア・モスクワで無許可の抗議行動を呼びかけ逮捕・収監された後、アレルギー反応を起したとして病院へ搬送された野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(43)が、29日に退院し、自分にはアレルギーはなく、「毒を使われたかもしれない」と述べた。同氏の担当医らは、第三者が化学物質を浴びせた可能性を指摘している。

退院後に再び収監されたナワリヌイ氏は、「私はアレルギーになったことは1度もない。食べ物にも、花粉にも、それ以外のものにも」と、ブログに書き込んだ。

ナワリヌイ氏は28日、顔がはれ上がり、目に異常があり、体に発疹が出たため、刑務所からモスクワ市内の病院に移送された。

ロシアでは、9月に行われるモスクワ市議選(定数45)で、市選管が野党の有力候補の出馬を相次ぎ拒否したことに、多くの市民が反発している。27日に開かれた抗議集会では1400人近くが拘束された。抗議行動を呼びかけたナワリヌイ氏は、20日の大規模集会で逮捕され、禁錮30日の刑を言い渡された。

かつてナワリヌイ氏を治療したことがある眼科医は、同氏が化学物質を浴びせられた恐れがあると懸念している。

「毒を使われたかも」

収監中のナワリヌイ氏は、ブログに声明を掲載し、これまで生きてきてアレルギーになったことは1度もないと主張した。さらに、自分の妻はアレルギー体質だと書いた。つまり、アレルギー症状がどういうものか、知っていることになる。

「夜に、顔や耳、首が熱くてチクチク痛んで目が覚めた。グラスウールで顔をこすられたような。毒を使われたかもしれないと思った」

ナワリヌイ氏は28日朝、病院へ搬送され、「接触性皮膚炎」だと診断された。

ロシア当局は「愚劣」

ナワリヌイ氏は声明の中で、今回の診断内容が自分の弁護人や担当医に伝えられていないことや、ロシアのインタファクス通信が報じた自分の診断内容の詳細に関して、自分自身に報告がないことを明かした。

アレルギー反応の可能性を全否定するわけではないものの、ナワリヌイ氏は搬送先の病室の入り口に待機していた警察官が、「何か隠しごとがあるかのような」態度だったと主張。「私の様子に、警官は私以上にショックを受けていた」ことから、毒を使ったのは地元警察ではないことは確かだとしつつ、ロシア当局ならこういう真似をするほど「愚劣」だと書いている。

「第三者による化学物質」で負傷か

かつてナワリヌイ氏を治療したことがある眼科医のアナスタシア・ワシレヴァ医師は、AFP通信に対し、ナワリヌイ氏の症状を「アレルギーとするのはばかげている」と述べ、同氏を「綿密な医師の管理下に置く必要」があり、親族への連絡を認められるべきだと主張した。

ワシレヴァ医師は、フェイスブックで、病院を訪れたものの病院によって面会を断られたと話した。ドア越しに少しだけ目にしたナワリヌイ氏の顔の様子から、「第三者による化学物質」で負傷した可能性を排除できないとしている。

髪の毛を独自調査へ

退院に先立ち、ナワリヌイ氏の医療チームは、同氏との面会が可能となり、独自に調査を行なうための髪の毛のサンプルと、着ていたTシャツを回収したと明かした。

ロシア紙ノーヴァヤ・ガゼータによると、モスクワ市長執務室は、8月3日にも抗議活動を行なうことを承認したという。

(英語記事 I may have been poisoned - Russia opposition chief