中国側はトランプ政権はあと2年、再選されても6年で終わることを見越していますし、景気の悪化などで米国内での国民の不満が高まれば、トランプ政権は政策を変えると読んでいます。一党独裁体制の中国とは違い、民主主義国家は弾圧で国民を押さえ込むことはできないからです。

 習近平は「今はじっと我慢する時」と考え、日本に対して盛んに秋波を送っていますが、やっていることはまったく変わっていません。それは尖閣諸島への領海侵犯を続け、東シナ海の日中中間線付近で新たなガス田の掘削を始めたことからも明らかです。

 2017年10月の共産党大会で、習近平は3時間20分にわたる大演説を行い、中国は2035年までに世界一の経済大国になり、建国100年に当たる2049年までには軍事力でも米国を追い抜いて、「国際社会の諸民族の中に中華民族がそびえ立つ」と言いました。

 中国共産党の価値観を世界に浸透させて、その教えの下で人類運命共同体を築き上げる。逆らう者は徹底的に弾圧する。このような中国の野望、中国が描く世界秩序を決して実現させてはなりません。

 米中対立において、日本が米国側に立つのは当然のことです。さらに長い歴史の中で育んできた人間重視の穏やかな価値観をもとに、独自の旗を立てて国際社会の中で大きな役割を果たしていくべきだと思います。

 そのためにも、日本は節度と責任ある民主主義国家として、憲法改正を実現し、国の基盤である経済力と国防力を整えていかなければならないのです。

●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。最新刊は『韓国壊乱』(PHP新書、共著)。

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