2019年08月01日 12:17 公開

国際テロ組織「アルカイダ」創設者の故オサマ・ビンラディン容疑者の息子、ハムザ・ビンラディン容疑者が死亡した。複数の米情報当局者の話として、米テレビ局NBCと米紙ニューヨーク・タイムズが31日報じた。

アルカイダは2001年9月11日の米同時多発テロ事件を引き起こしたとされる。父親のオサマ容疑者は2011年5月にパキスタンで米特殊部隊に殺害された。

報道によると、ハムザ容疑者は30歳だったとみられるが、誕生の日にちや場所は不明だという。また、死亡したとされる日時や場所も明らかになっていない。

これまで、父親を殺害したアメリカへの報復や、他の国々に対する攻撃を呼びかける音声や動画を公開していた。また、アラビア半島の人々に向け、反乱を起こすよう訴えていた。

米政府は今年2月、ハムザ容疑者の居場所を特定する情報に100万ドル(約1億900万円)を支払うとしていた。

同容疑者はイランの自宅で軟禁状態にあるとみられていた一方、アフガニスタンやパキスタン、シリアで生活しているとの情報も流れていた。


サウジアラビア政府は今年3月、同容疑者の市民権を剥奪した。

ドナルド・トランプ大統領は31日、ハムザ容疑者死亡の報道について記者団から質問を受けたが、答えなかった。ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)もコメントを拒んだ。

アルカイダ指導者の後継

米国務省は、2011年にオサマ容疑者のパキスタン・アボタバードの自宅で入手した書類を分析。その結果、ハムザ容疑者は父親からアルカイダ指導者の地位を引き継ぐよう育てられていたことがわかったと述べていた。

米軍は、イランで開かれたとみられるハムザ容疑者の結婚式の動画を入手していたとされる。相手はアルカイダ幹部アブドラ・アフメド・アブドラ容疑者(別名アブ・ムハンマド・アルマスリ)の娘とみられる。アブドラ容疑者は、1998年にタンザニアとケニアの大使館が爆破された事件に関与したとしてアメリカで起訴された人物。

<分析>アメリカを憎むよう育てられた息子

クリス・バクラー、BBCニュース

米当局者が年齢すら確定できなかったことからも、ハムザ・ビンラディン容疑者に関する情報がいかに限られていたかがわかる。

当局はここ数カ月、アフガニスタンやパキスタン、イランにいるかもしれないとの情報を流していた。しかし、アメリカの「最重要指名手配人」がどの国に隠れているのか、自信をもって言うことはできなかった。

ハムザ容疑者の情報にかけられた百万ドルの報奨金は、彼がどれだけ危険かを示すだけでなく、アルカイダとその宣伝機関にとって、彼がどれほど象徴的な重要性をもっていたかも示している。

同容疑者は、父親が9.11の攻撃の立案を支援していたときは子どもに過ぎなかった。しかし、アルカイダに伝わる話では、当時は父親の隣にいたという。

アメリカを憎むよう育てられた息子は、米特殊部隊による父親殺害への報復を常に考えていた。ハムザ容疑者は近年、アメリカや同盟国への攻撃を呼びかけるメッセージをインターネットで発信していた。

ハムザ容疑者の死去が正式に確認されれば、アルカイダの「新しい声」として頭角を出してきた人物を沈黙させたことになる。しかし、世界最悪のテロ攻撃を実行した組織の脅威を消し去ることにはならない。

(英語記事 Hamza Bin Laden 'is dead' say US officials