重村智計(東京通信大教授)

 日本政府による「輸出優遇措置見直し」に対する韓国の関心は3カ月しか続かないだろう。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の強硬発言の裏には、憲法が禁じている大統領再選への野望が見え隠れする。

 だからこそ「大統領の陰謀」に騙されてはならない。韓国は官民挙げて、日本企業に対する「技術スパイ」行為を活発化させるだろうから、対応が急がれる。

 日本もまた、韓国の国内事情や政争を理解せずに巻き込まれ、利用された過去の失敗を繰り返してはならない。それには、政権と韓国民を区別する戦略が重要になる。

 私は韓国についての取材と研究を40年以上続けている。その経験から言えば、韓国民の一つの問題に対する関心は3カ月以上続かない。必ずと言っていいほど、別の大きな事件や問題が起きるからだ。しかも韓国は、既に米韓関係の悪化や経済停滞に直面している。

 この場合、韓国への最適な対応は急がず慌てずに解決策を探していくことだ。早急な解決を求める声を上げる者は専門家とは言えない。過去の日本外交は、その性急さで何度も失敗を繰り返してきた。

 歴史教科書問題や慰安婦問題が残した「歴史の教訓」は、その場しのぎの解決を急ぎ過ぎたことにある。日本的な「灰色」や「玉虫色」解決など、「文化の衝突」を繰り返すだけだ。
日本政府が「ホワイト国(優遇対象国)」から韓国を除外する政令改正を閣議決定したことを報じる2019年8月3日付の韓国紙=ソウル(共同)
日本政府が「ホワイト国(優遇対象国)」から韓国を除外する政令改正を閣議決定したことを報じる2019年8月3日付の韓国紙=ソウル(共同)
 だから、嵐が静まり冷静になるまで時間をかけることこそ肝要である。教訓に反して、火に油を注ぐような発言を応酬するうちに、韓国につまらない揚げ足を取られてはならない。