2019年08月16日 15:58 公開

香港で2カ月以上続く政府への抗議デモを終わらせる方法として、アメリカのドナルド・トランプ大統領は15日、中国の習近平国家主席がデモ参加者たちと会談することを提案した。

トランプ氏は以前、香港の危機的な状況について、自らが習氏と会談すべきとの考えを示していた。

この日はツイッターで、習氏が香港のデモ参加者と会うという、新たな考えを公表した。

「もし習国家主席が直接、個人的に抗議者たちに会えば、香港問題は幸福で賢明な結末を迎えるだろう。間違いない!」

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1162002141172633600


このツイートの前には、習氏が「香港問題を人道的に解決」できることに関して、「疑いはゼロだ」ともツイートしていた。

<関連記事>

「アメリカ人は天安門を覚えている」

トランプ氏はまた、香港への言及をきっかけに、懸案となっている米中の貿易問題についても発言。

「もちろん中国は手を打ちたいと思っている。中国にはまず、香港について人道的に対処させよう!」と述べた。


一方、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日、米メディアのヴォイス・オヴ・アメリカ(VOA)で、「アメリカ人は天安門広場を覚えている」と中国に対し警告。香港の問題に「慎重に」対応するよう求めた。

中国の大使「ずっと黙ってはいない」

中国の劉暁明駐英大使は15日、ロンドンで開かれた記者会見で、香港が「危機的なとき」を迎えているとの認識を表明した。

劉氏は「香港の状況がさらに悪化すれば(中略)中央政府は黙って見ていることはしない」と述べ、「(香港の憲法ともいえる)基本法の範囲でも、我々はどんな不安も迅速に鎮められる十分な解決法と力を所有している」と付け加えた。


<分析>トランプ提案の実現は難しい――馮兆音アメリカ特派員、BBC中国

中国の習国家主席が香港の抗議デモ参加者たちと会談することは、極めて考えにくい。

中国はデモ参加者たちを「テロに近い行動を見せる暴徒」と呼んでいる。中国政府にすれば、その指導者が「暴徒」と会うのを正当化するのは難しい。デモ参加者のほうにも、中国政府との交渉を担うような明確なリーダーが見当たらない。

さらに大事なのは、習氏とデモ参加者の会談は、天安門での民主化運動が盛り上がった1989年5月に開かれた、李鵬首相と学生指導者の会談にそっくりになってしまうことだ。

当時の学生運動を「暴徒」と呼んだことを撤回しなかった李鵬首相の会談は、好意的にみても、何も生み出さなかった。のちに「北京の虐殺者」と呼ばれた李氏は、会談の2週間後に、武力制圧を支持したとみられている。中国政府は、そうした歴史を世界に思い出させることは決して望んでいない。

(英語記事 Trump urges Xi to meet Hong Kong protesters