2019年08月19日 11:55 公開

香港では18日、大規模な民主化デモが行われ、主催者発表で170万人が参加した。このところデモ参加者と警察の衝突が続いていたが、この日のデモは平和的に行われ、参加者は大雨の中、傘を差して公園や市街地に集結した。

デモを企画した民間人権陣線は市街地を行進する許可は受けられなかったものの、18日に警察からヴィクトリア・パークでのデモを認められた。

民間人権陣線メンバーのワンさんはBBCの取材に対し、「私たちは2カ月以上にわたって闘っているのに、政府はまったく応えない。何度も街に繰り出すだけだ」と語った。

このほか、中心部の金鐘や銅鑼湾、湾仔といった未認可の場所でもデモが行われた。

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香港政府は18日のデモについて、おおむね平和的だったものの、交通機関に深刻な影響があり、市民生活が不便になっていると話した。

その上で、「早急に社会の秩序を取り戻すことがもっとも重要だ」と語った。

この日のデモ参加者数について、当局の公式発表は出ていない。

続くデモと中国介入の懸念

犯罪容疑者の中国本土引渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案をめぐって始まった一連のデモは10週にわたって続いており、鎮静化の兆しが見えていない。

香港政府は改正案の審議を棚上げしたものの、デモ参加者は条例の完全撤回に加え、デモに対する警察の暴力的な対応への捜査も求めている。

ここ数週間はデモ参加者と警察の衝突が続き、警察は催涙ガスやゴム弾を使って対応している。また、先週末にはデモ参加者が香港国際空港を占拠し、数百便が欠航となった。

一連の混乱により、アジアの金融の中心地のひとつである香港は危機に陥っている。18日には多くの店舗が衝突を恐れて休業した。

一方、中国政府はデモを「テロに近い行為」と非難する姿勢を強めており、香港との境にある深センに人民武装警察部隊を集めている。

在ロンドン中国大使館の陳雯公使はBBCラジオに出演し、香港政府が状況を押さえられなくなった場合、中国政府は「座視するだけでは済まされない」と警告した。

また、「(香港の憲法ともいえる)基本法の範囲内で、どんな情勢不安も鎮められる手段と権限が、我々にはある」と付け加えた。


<解説>本来の目的への信頼を取り戻した ――スティーヴン・マクドネル、BBCニュース(香港)

香港の民主化デモをより平和的な方向に動かそうとする今週末の試みは成功したようだ。

乳児からお年寄りまで、大勢が大規模な集会に参加し、行進した。激しい雨が降りしきる中、黒服姿の家族全員がびしょぬれになりながら参加する様子もみられた。

エスカレートする暴力の衝撃的な映像をきっかけとして、民主化要求の進め方について大勢が考え直した。デモ参加者たちはその結果、幅広い市民の支持を獲得する方向を選んだ。

デモに加わろうとする人が多すぎて地下鉄駅が閉鎖されたというアナウンスが、すでに満員のヴィクトリア公園で流れると、参加者からは大きな歓声が上がった。

多くの人はこの日、活動への信念を取り戻した。そして現時点では、香港が特別行政地区の地位を失い他の中国の都市と同じになる2047年まで、戦い続ける覚悟の香港市民はかなりいると、そのように思えた。


(英語記事 Huge crowds rally peacefully in Hong Kong