2019年08月22日 13:32 公開

アメリカのケヴィン・マカリーナン国土安全保障長官代理は21日、同国南部の国境から不法入国した移民の家族を今後、期限を設けずに収容できる新しい規則を導入すると発表した。

アメリカはこれまで、不法移民の子どもについて収容期限を設けていたが、新たな規則はこれを廃止する。60日後に施行される。

この新規則をめぐっては、訴訟が起きる可能性が指摘されている。

<関連記事>

国土安全保障省は、収容期限があることで、中央アメリカからの不法移民が今年、大幅に増加していると説明している。

また、子どもと共に入国することが、短い期間の収容で済む「パスポート」になっていると指摘。新たな規則はこれに対応した措置だという。

マカリーナン長官代理は、「政府はきょう、国土安全保障省が家族を適切に一緒に収容し、移民システムの統合を改善するための重要なルールを決定した」と発表した。

「このルールによって、連邦政府は議会で承認された移民法を執行できるほか、政府が収容している子どもが尊厳と敬意、そしてその弱さへの特別な対応を持って扱われることが保証される」

アメリカ自由人権協会(ACLU)は新規則について、「政府は子どもを投獄すべきではないし、当然より多くの子どもをより長く収容すべきでもない」と非難している。

トランプ政権は先に、1年以上、食料支援や住居支援などの公的扶助を利用している低所得の合法移民について、ビザ(査証)の延長や永住権(グリーンカード)取得を制限する新規則を発表した。また、中央アメリカのほとんどの国からの移民に対する難民保護を終わらせている。

新規則の内容は?

アメリカでは、「フローレス合意」として知られる21年前の裁判所命令によって、移民の子どもの収容は20日間までと定められている。

しかし新規則では、不法に国境を越えた家族を家族ごと収容する施設に置き、それぞれの移民条件に基づいて収容するとしている。

トランプ大統領はかねて、フローレス合意による「キャッチ・アンド・リリース」型の措置を批判してきた。

2018年夏には、フローレス合意をかいくぐるため、家族から子どもを引き離して別に収容する政策を取った。この時、子どもたちは保健福祉省管轄下の施設に送られた一方、大人は移民法違反の裁判を待つため、収容施設に送られた。

この政策は国内外からの圧力や強い反発を受け、トランプ大統領は昨年6月に撤回した

2019年6月には、トランプ政権の弁護士が、フローレス合意の下でも政府は収容中の子どもに石けんや歯ブラシを提供しなくていいと述べ、サンフランシスコ連邦判事がこれを戒めた。

国境の現状は?

米当局によると、6月の不法越境による逮捕件数は、ここ10年で最高を記録した5月から28%減少した。

気温が32度以上になる夏には移民の数が減るのが通例だが、今年は特に減少率が大きかったという。

トランプ政権は、移民数の減少はメキシコと結んだ移民削減政策の効果だとしている。

(英語記事 US moves to abolish child migrant custody limits