田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」(代表・野田佳彦前首相)が、既に衆参両院での統一会派に合意していた立憲民主党と国民民主党とともに、会派を作る協議に乗り出すと報じられたときに、やはり旧民主党政権(あるいは旧民進党勢力)はなんの反省もなく野合を繰り返すだけだ、と筆者はあきれ返った。

 先の参院選では、立憲民主党も国民民主党もそれぞれ消費増税反対を訴えていた。それが全くの掛け声だけで、実際には政策の目玉でもなんでもないことが、この政治的野合で示されている。国民もなめられたものである。

 なぜなら、野田代表率いる「社会保障を立て直す国民会議」は、会派名が示すように、消費増税などの緊縮政策を中心に支持する政治家の集まりだからだ。野田代表が、現在も日本経済の足かせになっている消費増税を組み込んだ法案を通したことは、誰でも知っていることだろう。

 「社会保障を立て直す国民会議」のメンバーは、会派合流後も存在感を示すべきだと発言している。もちろんその「存在感」の中には、消費増税の実現が前提にされているだろう。

 立憲民主党と国民民主党が本当に消費増税反対を中核的な政策としているならば、このような枠組みでの統一会派の話など出てこないはずだ。しかし、おそらく旧民主党政権の時の反省が全くないため、このような野合を今後も繰り返すのだろう。
総会に臨む社会保障を立て直す国民会議の所属議員ら。中央は野田佳彦代表=2019年8月(春名中撮影) 
総会に臨む社会保障を立て直す国民会議の所属議員ら。中央は野田佳彦代表=2019年8月(春名中撮影) 
 経済と外交の失政を繰り返す韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を支える与党として「共に民主党」があるが、日本の「共に民主党」もまた経済失政を顧みない人たちの集まりかもしれない。ただ、国民民主党の玉木雄一郎代表が、ツイッター上で以下のように発言していることも紹介しないと、もちろんフェアではない。

急速に円高が進んでいる。CME日経平均先物も20,000円割れ。いよいよ日本経済の局面が変わろうとしている。今からでも遅くはない。少なくとも10月からの消費税増税はやめるべきだ。10月になる前に国会を開いて速やかに議論したい。日本経済、国民生活のために議論させてもらいたい。


 今のところ、政治業界のうわさでは9月中旬に内閣改造を実施し、そして10月中旬に臨時国会を開催するといわれている。消費税の10%への引き上げは10月1日からなので、臨時国会の開催を待っていると、事前にストップをかけるには当然遅い。