現状では、購買力平価を上回る円安を何とか維持している。大ざっぱな試算ではあるが、おそらく円ドル相場で1ドル100円を切る円高が続くと、日本は、デフレが再び定着する世界に逆戻りしてしまうだろう。

 現在は、1ドル104円から105円の水準で推移している。デフレを安定的に脱却できる水準(私見では1ドル110円を超える円安)には遠い。

 例えば、日本の物価予想がどうなっているかを示すブレーク・イーブン・インフレ率を見てみよう。以下の図である。
 最近の物価予想は今年に入ってから、さらに低下している。このままでは、物価予想がデフレ予想に反転することも近いように思われる。

 現状の実際の物価水準は、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数では0・6%である。今の統計の取り方では、本当の物価よりも指数が高めに出る傾向にある、いわゆる物価指数の上方バイアスはあまりない。

 つまり、この0・6%をほぼ額面通り受け取っていいだろう。そうすると、一応デフレではない。しかし、日本銀行が目標とする2%の水準には程遠い。むしろ、デフレの世界にたちまち戻りやすい水準でもある。

 為替レートを見れば、「円高シンドローム」=デフレ不況に再び陥りかねない。また予想の世界から分析しても、デフレの世界が大きな口を開けて、われわれを待っているように思える。

 果たして、消費増税が実際にどのような影響をもたらすか。国際環境次第ではあるが、急激な悪化をもたらすのか、しばらくは財政支出などの効果で次第に悪化していくのか、それはまだはっきりしない。だが、いずれのシナリオであっても、悪化が避けられないのは間違いないだろう。