2019年09月01日 12:48 公開

テニスの全米オープンは31日、女子シングルス3回戦があり、連覇を狙う世界1位の大坂なおみが地元アメリカの新星コリ・ガウフに6-3、6-0で快勝した。試合後の勝者インタビューは異例の形式となり、大坂の心遣いに称賛の声が高まっている。

2万3000人収容のセンターコート、アーサー・アッシュ・スタジアムがびっしりと埋まった。第1シードの大坂と、アメリカのテニスファンの期待を集めるガウフの組み合わせが土曜の夜に重なり、会場は熱気に包まれた。

15歳のガウフは7月、4大大会初出場のウィンブルドンで4回戦まで進出大きな注目を浴びた

ブレーク合戦

この試合、第1セットは双方が計5回、相手のサービスゲームをブレークし合う、乱れた展開となった。

大坂は出だしの3ゲームを連取。しかし、第5ゲームはガウフの深いリターンに手を焼き、ブレークを許してゲームカウント3-2となった。

ここから先の3ゲームは、ブレーク合戦となった。大坂はガウフのサービスゲームでダブルフォールトに乗じ、要所でストロークのエースを放った。一方、ガウフは大坂の強烈なサービスに苦労しながらも、ストローク戦でコートの外側から見事なショットを決めるなどした。

大坂は、ゲームカウント5-3で迎えた自分のサービスゲームでもストロークをネットにかけ、ダブルフォールトでリードを許す。次のサービスを始めるまで時間をかけ過ぎだとして、審判に注意を受けた。

しかし大坂は崩れず、次のサービスはエースに。その後も鋭いバックハンドを決めるなどし、このゲームをキープして第1セットをものにした。

ダブルフォールトを量産

第2セットはほぼ一方的な展開だった。

大坂は第2ゲームでガウフにブレークポイントを2つ許したが、強烈なストロークを連発してしのいだ。

一方、ガウフは次第に、ダブルフォールトやストロークのミスが目立つようになった。

ガウフのダブルフォールトは、この試合7に上った。1回戦では11、2回戦は7つ出しながらも勝ち上がったが、女王の大坂相手に同じ調子では歯が立たなかった。

敗れたガウフが……

試合後、コートでのインタビューで観客の心を動かす、珍しい一幕があった。

コートでのインタビューは決勝戦以外、勝者だけが応じるのが通例だ。しかしこの試合では、敗れたガウフもインタビューに応えた。

水を向けたのは大坂だった。

ガウフは、「彼女(大坂)は私が驚くようなプレーをしたと言い、幸運を祈ってくれた。そして、コートでのインタビューを一緒に受けるか聞いてくれた。私はずっと泣きっ放しになるとわかっていたから『やりません』と答えたけど、彼女がやるようにと勇気づけてくれた」と観客に向けて話した。

さらに、「すごい試合だった。彼女はすごかったし、私はこの試合から多くを学ぶと思う。彼女は私に対してとてもやさしい。この機会をくれたことを感謝している」と述べた。

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気の毒なくらい「集中できた」

一方、大坂はガウフの関係者席に向かい、「あなたたちは素晴らしい選手を育てた」と称賛。続けて、「この試合は全豪オープン以降で最も集中できた試合だったと思う。(ガウフに顔を向け)この調子であなたと対戦したことを気の毒に思う。ものすごく楽しかった」と話した。

さらに観客に向けて、「来てくれてありがとう。異常な熱気だった。私に向けられたものとは言えなかったけど!」と加えた。

次の試合について聞かれると、「もう頭が働かない。ごめんなさい」。

インタビューを終えると、大坂はもう一度、ガウフの体に腕を回した。

ガウフより年上とはいえ、大坂もまだ21歳。その大坂の気遣いを称える声が、米メディアやソーシャルメディアなどで相次いでいる。

大坂に「説得された」

試合後しばらくして会見場で開かれたインタビューでは、ガウフは、「大勢の前で泣きたいタイプじゃないからコートを離れたかったし、彼女のために用意された時間だったから邪魔したくなかったんだけど」と言い、こう続けた。

「でもシャワーで泣くよりいいからと(大坂に)言われて。何度も、残るようにと説得してくれた。私は、いいよいいよって断ったんだけど、最後は分かったやるって言いました。どうしていいか分からなかったから」

「大勢の前で泣くのに慣れてないから、説得されてよかったと思う」

また、「コートの上では憎い敵みたいに立ち向かってくるけど、試合が終われば大の親友のように接してくれる。それこそがアスリートだと私は思うし、(大坂は)そうしてくれた」と大坂をたたえた。

さらに、「勝った彼女が泣いていて、私も泣いていて。みんな泣いてた! どうして泣いてるのか分からなくて、『試合に勝ったのはそっちじゃない!』ってなった」と、試合直後の状況を説明した。

錦織は3回戦で敗退

30日には男子シングルス3回戦があり、第7シードで世界7位の錦織圭は、同38位のアレックス・デミノー(オーストラリア)に2-6、4-6、6-2、3-6で敗れた。

(英語記事 Osaka warms hearts with emotional gesture