2019年09月02日 14:09 公開

英国家統計局(ONS)は29日、2018年版「人気の赤ちゃんの名前ランキング」を発表した。上位には、これまでも人気が高かった名前がランクインした一方で、1世紀ぶりにトップ100入りした名前があるなど、映画やドラマが、名前選びに影響を与えている可能性があるという。

1番人気の名前は、2018年も「オリヴァー」と「オリヴィア」だった。

イングランドとウェールズで「オリヴァー」と名付けられた男の子の数は5390人で、前年の6259人からは減少した。

一方、「オリヴィア」と名付けられた女の子は4598人だった。こちらも5204人だった前年からは減少したものの、2位の「アメリア」(3941人)を上回った。

男の子の2位は「ジョージ」で、4960人だった。

ドラマの登場人物と同じ名前

男の子の名前では、「アーサー」が、1920年代以降で初めてトップ10入りした。女の子の名前では、「エイダ」が1世紀ぶりにトップ100に入った。

2018年に「エイダ」と名付けられたのは811人で、前年から49位上昇し、65位だった。

この2つの名前は、イギリスの人気テレビドラマの登場人物と同じことから、専門家は、ドラマが影響している可能性があると指摘している。

1世紀ぶりトップ100入り

統計学者のニック・ストライプ氏は、「6年間、男の子の名前のナンバー1に君臨してきた『オリヴァー』が、脅かされている兆候が初めて確認されたものの、『オリヴァー』と『オリヴィア』は、2018年も、最も人気が高い名前にとどまった」と述べた。

「今回、『アーサー』が1920年代以降で初めて、男の子のトップ10に食い込み、『エイダ』も、1世紀ぶりに女の子のトップ100に飛び込んだ。どちらも、おそらくBBCのテレビドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』の登場人物の影響だろう」

「ピーキー・ブラインダーズ」は、2018年の英映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)で最優秀ドラマシリーズに選ばれた人気ドラマだ。アーサーとエイダは、このドラマに登場するシェルビー家の主要人物。

スマートスピーカー搭載のAIの名前は減少

ONSによると、「アレクサ」と名付けられた女の子の数は、前年の301人から118人に減少した。

スマートスピーカーの「アマゾン・エコー」に搭載されているAI「アレクサ」との混同を避ける判断が働いた可能性がある。

ストライプ氏は、「アレクサ」の数が減少したのは、「自宅でテクノロジーの支援を受けることが増えた」ためかもしれないと指摘した。「小さい子どもとのコミュニケーションはそれでなくても大変だから」

ONSは、赤ちゃんのプライバシー保護の観点から、同じスペルを持つ赤ちゃんが少なくとも3人いる名前のみを公表している。

スコットランドと北アイルランドの、人気の名前ランキングはすでに公表されている。

スコットランドで最も人気だったのは、「オリヴィア」と「ジャック」。北アイルランドでは、男の子の名前が「ノア」と「ジェイムズ」が同率1位、女の子では「グレイス」が最多だった。

「メガン」人気が2倍に

「メガン」の人気は、前年の2倍となった。イギリス王室の サセックス公爵ハリー王子とメガン妃の結婚の時期と一致する。

「メガン」と名付けられた赤ちゃんの数は、2017年の49人から、2018年には101人となり、431番目に人気の女の子の名前となった。

一方、「ハリー」は変わらず人気の高い男の子の名前の1つだ。ただ、2018年サッカーワールドカップで、準決勝進出を果たしたイングランド代表に、ハリー・ケイン選手とハリー・マグワイア選手がいたものの、2位の座を「ジョージ」に明け渡した。

人気ドラマの「造語」も人気

米人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で、英女優エミリア・クラークさん演じるデナーリス・ターガリエンの「女王」の称号で、造語の「カリーシ」は、2017年の76人からは減ったものの56人の名前となった。2018年には、このドラマは放送されていなかった。

ONSのデータからは、 デイヴィッド・ベッカムさんと妻ヴィクトリアさんの娘が誕生した2011年以降、「ハーパー」と名付けられた赤ちゃんの数が増加していることが分かる。

2018年のランキングでは、「ハーパー」は27位だった。


「ムハンマド」と「オリヴァー」

イギリス北西部、ヨークシャー、ハンバー、ウェスト・ミッドランズ、ロンドンでは「オリヴァー」よりも「ムハンマド(Muhammad)」が人気だった。

ONSによると、この結果について、多くの解説者が、別のスペル(Mohammedなど)の同じ読み方の名前が一緒にカウントされていたと結論付けたという。

しかし、ストライプ氏は、ONSは異なるスペルの名前は合計しないと指摘した。

「短縮形の『オリー(Ollie)』を含めるなど、昨年分のさまざまなスペルの『オリヴァー』を合計すれば、すべての『ムハンマド』に勝るだろう。『ハリ-』『ハリス』『ハリソン』も同様だ。『ヘンリー』も一緒にしたいと思う人もいるかもしれない。ハリー王子はヘンリーとも呼ぶのだから」

ストライプ氏によると、テレビや映画に関連する名前の人気が上昇している一方で、「ジョン」「ポール」「マーク」「マシュー」といったキリスト教にまつわる名前の人気は落ちているという。

新たな名前や、スペルを変化させた名前も

これまでにない、新しい名前も増加しているという。たとえば、「天国」を意味する「heaven(ヘブン)」を逆から読んだ「Nevaeh(ネヴァ)」だ。

また、イギリス以外で生まれた母親を持つ赤ちゃんの間では、オリヴィア(一般的にはOlivia)を「Oliwia」としたり、スザンナ(同Suzanna、Suzannah)を「Zuzannah」と書いたりするなど、これまでのスペルと違う書き方が広まっている。

「(異なるスペルを含む)『ムハンマド』と名付けられた赤ちゃんの数は、過去10年から15年の間、かなり一貫性がある。これは近年、『ムハンマド』の順位が上昇している主な理由だ」と、ストライプ氏は述べた。


(英語記事 Peaky Blinders 'may have inspired' baby names