2019年09月03日 14:13 公開

アメリカのアフガニスタン和平担当特別代表を務めるザルメイ・ハリルザド氏は2日、米軍が20週以内にアフガニスタン駐留の米兵5400人を撤退させることで、同国の反政府武装勢力タリバンと大筋で合意に達したと明らかにした。

ハリルザド氏は、合意についてアフガニスタン政府に報告したあと、テレビ取材に応じ、詳細を発表。ただ合意の締結には、ドナルド・トランプ大統領の最終承認が必要だと述べた。

その模様がテレビで放映されるさなか、首都カブールでは大きな爆発が発生。少なくとも16人が死亡し、119人が病院に搬送された。

タリバンが犯行声明を出しており、外国人部隊を狙ったものだとしている。

アメリカが主導する和平交渉では、日常的な暴力や市民の犠牲がなくならないのではないかとの懸念が広がっている。

勢力拡大するタリバン

タリバンは現在、2001年のアメリカ侵攻以来で最も勢力を拡大している。アフガニスタン暫定政府をアメリカのかいらいだとし、交渉相手にするのを拒否している。

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ハリルザド氏は、カタールで9回にわたり、タリバン側と和平交渉を重ねてきたという。

米軍の撤退をめぐっては、撤退と引き換えに、タリバンは今後、アメリカやその友好国への攻撃拠点としてアフガニスタンを利用しないことを約束したという。

ハリルザド氏は、「合意に沿って条件が整えば、アメリカは現存する5つの基地から135日以内に撤退する」と説明した。

アメリカは現在、1万4000人をアフガニスタンに駐留させている。

タリバンの広報担当者はBBCの取材に対し、テキストメッセージで、ハリルザド氏が説明したアメリカ軍撤退に関する内容を認めた。

BBCのリズ・ドゥセット主任国際特派員によると、残りの米兵の撤退については、暫定政府とタリバンの和平交渉や停戦などの条件次第だという。

アフガニスタン政府は、タリバンが和平に前向きな証拠が必要だとしており、アシュラフ・ガニ大統領は合意内容を精査してからコメントを発表する予定。

アフガニスタンでは、アメリカとタリバンの合意によって自由や権利が損なわれてしまうのではないかとの懸念が広がっている。タリバンは1996~2001年にアフガニスタンを支配していた際、厳しいイスラム法を敷き、特に女性を厳しく取り締まっていた。

2001年から続く紛争

2001年9月11日の米同時多発テロ事件を受け、アメリカはこの年、アフガニスタンに侵攻した。同事件の首謀者、故オサマ・ビンラディン容疑者の引き渡しに、アフガニスタンが応じなかったためだとした。

アメリカは国際的な有志連合軍と共にタリバンを政権から追いやったものの、タリバンは反政府勢力となって攻撃を継続。アフガニスタンは不安定な状態が続いている。

有志連合軍の軍事作戦は2014年に終了し、アフガニスタン軍の訓練を担当する部隊以外は撤退した。アメリカは軍を残したものの、攻撃の規模を縮小させている。

タリバン、国土の7割で活動

タリバンは昨年から勢いを取り戻しており、BBCの取材では、アフガニスタンの国土の70%で活動していることがわかった。

2001年の侵攻以来、有志連合軍の兵士3500人近くが死亡している。うち2300人以上がアメリカ兵だ。

アフガニスタン側の犠牲者の数は把握するのが難しい。今年2月の国連の報告では、3万2000人以上の民間人が亡くなっている。米ブラウン大学ワトソン研究所は、これまでにアフガニスタンの兵士5万8000人、タリバン側の兵士4万2000人が殺されたとの報告を発表している。

(英語記事 US-Taliban deal would see 5,400 troops withdraw