経済産業相に起用された菅原一秀(いっしゅう)氏は、財務副大臣や経産副大臣を務めてきた。無派閥議員ながら、今年、菅義偉(よしひで)官房長官を囲む勉強会「令和の会」を発足させた。

 経済再生相の西村康稔(やすとし)前官房副長官は、首相の出身派閥である細田派所属だ。法相に起用される河井克行氏も、安倍政権で内閣総理大臣補佐官、総裁外交特別補佐を務めてきた人物だ。

 要するに、初入閣を果たしたのは、首相のそばで汗をかいてきた人ばかりだ。他にも、首相の目に届かないところで地道に仕事をしてきた人を各派閥が推薦していたはずだ。だが、地道な仕事では意味がなかった。

 結局、首相の目につくところで、首相のために仕事をすることが重要だといわんばかりの人事となった。これでは、細田派と首相を取り巻く人たちを除いて、各派閥の幹部や入閣適齢期の議員、若手のモチベーションは一挙に下がってしまうだろう。

 主要閣僚の顔ぶれも、相変わらず「お友達」の間でポストを回しているだけになった。麻生太郎副総理兼財務・金融相と菅官房長官、二階俊博党幹事長の留任は早々に決まった。安倍政権の屋台骨であるが、それぞれに「そろそろ退任を」という理由はあった。

 麻生氏には「森友学園問題」など財務省のスキャンダルの責任問題があった。また、経済政策「アベノミクス」の限界が見えており、財務・金融相の交代で新たな政策アイデアを導入するという考え方もあったはずだ。

 菅氏に対する安倍首相の信頼は絶大だ。だが、そもそもカネと情報が集中する官房長官というポストに約7年も就くこと自体が異例だ。

 中曽根康弘政権や小泉政権など過去の長期政権は、官房長官を途中で交代させてきた。官房長官には首相が最も信頼する政治家が起用されるものだが、次第に首相にとって危険な存在になってくるからだ。
2018年10月、明治150年記念式典に臨む(左から)菅義偉官房長官、麻生太郎副総理兼財務相、安倍晋三首相
2018年10月、明治150年記念式典に臨む(左から)菅義偉官房長官、麻生太郎副総理兼財務相、安倍晋三首相
 二階氏についても、その圧倒的な力量を評価されているが、一方で「世代交代論」があった。しかし、安倍首相は、ためらいなく彼らの留任を決めた。

 他の主要閣僚や党役員についてだが、まずかつて務めたポストへの復帰が目立つ。加藤勝信総務会長が厚生労働相に復帰となった。