2019年09月20日 11:32 公開

米ヴァージニア州で結婚を予定しているカップルは今後、結婚許可証を取得する際に、自分の人種について申告する必要がなくなった。

ヴァージニア州法では、結婚許可証の申請者は、自分の人種を申告することが定められている。申請項目には、「アーリア人」、「ムーア人」、「オクトルーン」(黒人の血が8分の1入った白人と黒人の混血)、「ムラート」(ヨーロッパ系白人とアフリカ系黒人の混血)といった差別的な言葉が含まれる。

この州法をめぐり、同州在住の3組のカップルが5日、「違憲」で「人種差別的な過去を反映している」として同州を相手取り訴訟を起こした。

それから約1週間後の13日、マーク・ヘリング州司法長官は、法律従事者とメディアに宛てたメールで、新たな法的ガイダンスを公表した。結婚許可証の申請者は今後、人種に関する質問への回答を拒否することが可能になるという。

へリング氏は声明で、「我々は喜んで、この問題を早急に解決し、提訴したカップルの要求を実現する手伝いをした。こうした変更により、自分自身にレッテルを貼ることをヴァージニア州住民に確実に強制しないようにする」と述べた。

このガイドラインは、「法令は、憲法と矛盾するかたちに解釈されるべきではない」との原則に基づくものだと説明。「この問題について提訴したカップルの勇気に感謝する。各カップル同士の人生における幸運を祈る」と付け加えた。

違憲判決を目指し争う

提訴したのは、ブランディン・チャーチルさんとソフィー・ロジャースさんのカップル、アシュリー・ラムキシュンさんとサミュエル・サルフォさんのカップル、そしてアメリア・スペンサーさんとケンダル・プールさんのカップルの、計3組。

3組を弁護する、ヴィクター・M・グラスバーグ弁護士は、今回の対応を「歓迎する」とした一方、同州法を違憲とする判決が出るまで争う考えだとしている。

同弁護士は米紙ニューヨーク・タイムズに、問題の州法は、異人種同士の結婚を禁止するため人種の申告を義務付けた、1924年制定のヴァージニア人種保全法にもとづくものだと説明した。

法令を廃止に

グラスバーグ弁護士は米紙ワシントン・ポストに対し、新ガイダンスは「とてもありがたく、初動対応としては正しいことだ。しかし、この州法は傲慢なもので(中略)、州法を廃止する必要がある」と述べた。

ラムキシュンさんは同紙に対し、「今でもヴァージニア州でこの州法が有効だという、その事実は解決されていない。州は、人種に関する質問への回答を任意にするか義務に戻すか、いつでも変えられる」と懸念を示した。

「時代遅れで侮辱的」

チャーチルさんは、同州ロックブリッジ郡で、恋人のロジャースさんと一緒に結婚許可証の申請をしようとした際に、「項目の多くが時代遅れで、21世紀にふさわしくない侮辱的で人種差別な言葉が使われいる」ことに気がついたと、BBCに述べた。「私たちは不快だと担当者に告げて、その場を離れた」。

人種=人間

グラスバーグ弁護士はBBCの取材で、結婚許可証の問題にどう対応しようか長年思案してきたのだと明かした。1981年に自分が結婚する際には、人種の項目に「人間」と記入したいと申し出たものの、認められなかったという。

アメリカではヴァージニア州を含む8の州で、結婚に先立ち、人種を申告するよう定められている。

(英語記事 Virginia alters 'racist' marriage licence forms