2019年09月29日 18:40 公開

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、開催国の日本は28日、屈指の強豪アイルランドに勝利した。海外の専門家は、この大番狂わせに何を感じ、日本の悲願達成の可能性をどうみているのか。

日本の勝利は「まぐれではない」。元アイルランド代表ウイング、シェイン・ホーガン氏は、こう言い切る。

ホーガン氏はBBCのラジオ番組で、「この大会は(ラグビー伝統国ではない)セカンド・ティアの国が、(伝統国の)ファースト・ティアの国を破るのを必要としていたが、これはまぐれではない。日本は完全にこの勝利に値するし、アイルランドより優れた試合運びだった」と語った。

「子どもは見習うべき」

7人制ラグビーでフィジー代表を五輪優勝(2016年リオデジャネイロ)に導いたベン・ライアン氏は、「衝撃的な」勝利だったと称賛。そのうえで、試合に対する日本の取り組み方に感銘を受けたと述べた。

「日本は(ラグビーの)お手本のようなプレーをした。正しいタックルの仕方を知りたい子供は、この日本チームを見るべきだ」

ラグビーに好影響

一方、元アイルランド代表ウイング、デニス・ヒッキー氏は、大会とラグビーへの好影響を指摘する。

「開催国が世界ランク1位のチームを破り、大会の早い段階で勝利した。これで大会は大いに盛り上がるだろう」と話した。

「日本は大きな国だが、ラグビーは一番人気のスポーツとは程遠い。それだけに、この勝利は最高のタイミングだ」


歴史的な「大転覆」にかかわった両監督は何を感じているのか。

日本のジェイミー・ジョセフ監督は、チームが「言うまでもなく、この結果に狂喜している」と述べた。

「すさまじい奮闘」

ニュージーランド人のジョセフ氏は、日本代表はこの大会に向けて「3年間準備してきた」だけに、「自分たちは有利な立場にいると思っていた」と話す。

「試合前には注意が必要だ。傲慢(ごうまん)すぎるとか生意気すぎる印象は与えたくない」

「もちろん私たちは、自分たちのゲームプランと、何をしたいのか深く信じていた。それに、アイルランドがどれほどうまく、どれほど強いか承知していた」


一方、アイルランドのジョウ・シュミット監督は、「日本におめでとうと言いたい。実にすさまじい、強烈な奮闘ぶりだった。こうなるかもしれないのは、分かっていた。日本は素晴らしいチームで、本当にいいプレーをした」と語った。

日本は決勝トーナメントに進める?

1次リーグA組は、アイルランドとスコットランドの間で、どちらが決勝トーナメント準々決勝でニュージーランドと当たり、どちらが南アフリカと当たるのかを決める戦いになる――。多くの人がそう考えていた。

ところが日本は2連勝し、A組の首位になり、初の決勝トーナメント進出に大きく近づいた。

ヒッキー氏は、これでA組から抜け出る2チームは「予想できなくなった」と指摘。元スコットランド代表スクラムハーフのローリー・ローソン氏も同調する。

「初戦の日本には、開催国のプレッシャーがあった。しかし今夜は、自分たちが本物の強いチームで、この大会は勝ちに来ているのだと、本気を示した」と、ローソン氏はBBCのラジオ番組で語った。

「準々決勝に進むという日本の目標は、単なる思いつきではない。今日は勝つべくして勝ったし、おかげでA組の展開はまったく予想できなくなった」

世界注目の一戦

だが、日本が宿願のベスト8入りを果たすには、残るサモア(10月5日、豊田スタジアム)とスコットランド(同13日、横浜国際総合競技場)戦での勝利が重要になる。

カギはボーナスポイントが握る可能性がある。

「日本は前回大会で、3勝したのに決勝トーナメントに進めなかった。日本は今大会の命運を自分たちの手に握っている。一方でアイルランドは、日本やスコットランドがポイントを伸ばさないことを願うしかない」とヒッキー氏は説明する。

一方、ホーガン氏はこう言う。「A組最後の日本対スコットランドが本当に大きい。世界中が注目する一戦になるし、それこそW杯にふさわしい」。

アイルランドは次のロシア戦で盛り返すことが予想される。ただ、1次リーグで試合を落としてなお、大会を制覇したチームはこれまで1つもない。

(英語記事 Shock Japan win 'will ignite World Cup'