2019年09月30日 0:47 公開

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は29日、1次リーグD組の強豪同士が東京スタジアムで激突し、世界3位のウェールズが同6位のオーストラリアを29-25の僅差で下した。

D組きっての大一番。ウェールズは、今年のシックスネイションズ(欧州6カ国対抗戦)で全勝優勝を遂げた。対するオーストラリアは、W杯で過去2回優勝を果たしている。

試合は早々にウェールズが先制。流れをつかんだ。

1分たたないうちに

ウェールズはキックオフ直後、相手22メートル陣内の密集でボールを奪った。SHギャレス・デイヴィスがSOダン・ビガーにボールを戻すと、ビガーはゴール正面からドロップゴールに成功。まだ開始1分もたっていなかった。

前半12分、ウェールズは敵陣深くに攻め入ると、ゴールライン中央付近での密集からビガーにボールを戻した。ビガーは今度は右隅へとキックパス。CTBハドリー・パークスがこれをキャッチして、転がりこみながらトライを決めた。

ビガーはコンバージョンキックも成功させ、リードを10-0と広げた。

豪に初トライ

オーストラリアは攻めあぐんでいたが、前半20分に反撃に出た。

敵陣左サイドに攻め入ると、密集から出たボールをSOバーナード・フォウリーが右隅にキックパスを出した。これにWTBアダム・アシュリークーパーが反応。足を取られながらも、右サイドにチーム初トライを決めた。

フォウリーはコンバージョンキックを失敗。しかし、前半28分にはペナルティゴールを成功させ、スコアを8−10と縮めた。

しかし、試合の流れは変わらなかった。


着々と加点

その後、オーストラリアは強さと速さを持ち合わせたバックス陣を軸に突破を試みるが、ミスで自らリズムを崩し、なかなかペースがつかめなかった。

ウェールズの組織的な守備にも手を焼き、自陣に押し込まれる場面が目立った。

対象的にウェールズは、着実に得点を重ねた。

ビガーと交代したSOリース・パッチェルは、前半32分と36分とペナルティゴールを決めて、リードを8点差に広げた。

15点差で折り返す

前半37分にはウェールズにビッグプレーが飛び出す。

オーストラリアが敵陣右サイド、10メートルライン付近でパスをつなごうとしたのを、ウェールズのデイヴィスがインターセプト。そのまま一気に走り抜けてトライを奪った。

パッチェルはコンバージョンキックも成功させ、スコアを23−8と広げた。

ウェールズは前半40分にブザーが鳴ると、すぐにボールをタッチに蹴り出して前半を終了。終始、冷静に試合をコントロールした。

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再びドロップゴール

後半も前半とまったく同じような展開で得点が動き始めた。

後半3分、ウェールズはパスを左右に展開して揺さぶりにかかった。フォワード陣がポイントを作ると、密集から戻されたボールを受け、パッチェルがチーム2本目となるドロップゴールを成功させた。

しかし、オーストラリアは追いすがった。

直後の後半5分、オーストラリアは縦方向の突破力を生かし、左サイドの敵陣深くに進入。ウェールズも体を張って食い止めようとしたが、最後は中央の密集からパスをつなぎ、FBデイン・ヘイレットペティがゴールポストの右側に飛び込んだ。

交代出場したSOマット・トゥームアがコンバージョンキックを成功させ、スコアを15-26とした。

このあと時間の経過とともに、試合の流れは徐々にオーストラリアに傾き始めた。個の突破力に優るオーストラリアが優位に立ち、ウェールズを自陣深くまで押し込む時間が増えていった。

流れが豪に

その最たるものが、後半21分のシーンだった。

オーストラリアはゴールライン付近で、パスをつないではフォワード陣がポイントを作るというパターンを辛抱強く繰り返した。じわじわと前進を続け、最後はFLマイケル・フーパーが、右のポスト脇に這うようにしながら執念のトライを決めた。


コンバージョンキックも成功し、スコアは22−26に。さらに後半27分には、トゥームアがペナルティゴールを成功させ、オーストラリアは1点差まで迫った。

明らかに変わり始めた試合の流れに、スタジアムは騒然となった。

ところがウェールズは、この後に再びペナルティゴールのチャンスを得た。パッチェルがそれを決め、オーストラリアを4点差に離した。

スコアはこれ以降動かず、試合終了を迎えた。

キックで突き放す

1次リーグ注目の好カードは、試合巧者ぶりを発揮したウェールズが凱歌(がいか)を挙げた。トライの数では2対3と相手に上回られながら、堅い守備で相手の攻撃をしのぎ切った。ペナルティゴールやドロップゴールで突き放していく戦い方は、いかにもウェールズらしかった。

一方のオーストラリアも、後半は持ち味を存分に発揮して肉薄した。

これでウェールズは2連勝で勝ち点を9にし、D組首位に立った。一方、オーストラリアは7点差以内の負けに与えられるボーナスポイントを加え、勝ち点を6に伸ばした。


この試合の最優秀選手:ギャレス・デイヴィス(ウェールズ)

ウェールズの守備のリズムをつくり、前半にトライも決めたウェールズのSHギャレス・デイヴィスが、この試合の最優秀選手に選ばれた。

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