ロシア疑惑も同じだったが、司法省その他が民主党やヒラリー氏に乗っ取られている。そして多くの不正利益をむさぼっていると思われるのである。

 その中には中国が南シナ海に進出した直後の2013年12月にバイデン氏が副大統領として北京を訪問した12日後、ハンター氏が中国銀行から数十億ドルを引き出してBHRというファンドを設立した問題もある。ハンター氏はBHRの株を43万ドル分以上、2019年6月の時点でも持っていたことが確認されているが、このBHRは設立以来、世界のエネルギーと兵器産業に莫大(ばくだい)な投資を行ってきたことの方が問題だろう。

 さらに2015年にBHRと中国航空宇宙公司がミシガン州の自動車会社を買収した問題でも議会の調査でハンター氏の介入が明らかになっている。この自動車会社の製品は兵器転用可能なので国家安全保障に関わる問題だったからである。にもかかわらず、この会社は中国に買収され、この会社の技術が今では中国の戦闘機生産に使われていると言われている。

 いま米国でトランプ弾劾を主張する人々は、トランプ氏が軍事援助と引き換えにウクライナに調査を強制したのなら、それは国家安全保障上の問題であり、ロシア疑惑のような選挙関係のみの場合とは異なると主張している。確かにバイデン氏がウクライナ政府に検事総長を解任させる取引に使ったのは軍事援助ではない普通の援助だった。

 しかし、軍事援助と引き換えの取引は、トランプ氏もウクライナ大統領も否定している。そして真に国家安全保障に脅威を与えるようなことを、中国との間で、己のファミリーの利権のために行ったのは、バイデン氏および彼を庇(かば)い立てする民主党の方なのである。

 確かにトランプ氏の対中経済制裁のために米国の景気は後退してきている。だが、それでも来年の成長率は予測でも1・6%。今後の動向次第では、もっと高くなる可能性もあると思う。

 また、今年の夏から短期金利が長期金利を上回る、いわゆる「逆イールド」現象が起きている。これは普通、景気後退の予兆ではある。だが景気後退が起こるまで18カ月はかかると言われていて、これは大統領選挙の後になることを意味する。

 しかも原因が長期運用の余裕がなくなった中国マネーによる短期運用の増加という一過性のものだったからか、逆イールド現象が起きたらすぐに起こるはずの株式の暴落も起きなかった。それほど米国経済は堅調なのである。

 そのためかインフレと失業を足した数字も6%程度。これが10%を超えればトランプ氏の再選は赤信号だが、このまま行けば再選される可能性の方が高い。

 日本は当面、「トランプのアメリカ」と付き合っていくしかない。それは中国との貿易で儲けるのは難しくなり、米国との絆を経済、軍事両面で強くしていくこと以外の道はないことを意味する。そして、そうしなければ南シナ海情勢の悪化など、日本にとって致命的なことにもなりかねない。
記者団らに話すドナルド・トランプ大統領 =2019年2月19日、米ホワイトハウス(ロイター=共同)
記者団らに話すドナルド・トランプ大統領 =2019年2月19日、米ホワイトハウス(ロイター=共同)
 それは民主党政権になったとしても同じなのだが、トランプ政権の方が民主党政権よりも信用できることは、今まで述べてきたことからご理解いただけると思う。バイデン氏のように中国に軍事情報を売るような政治家が、民主党には他にもいる可能性は、クリントン家と親しいロビイスト会社のウクライナ問題との関わりなどから考えても、低くないように思われる。

 そして今後ウクライナ疑惑の真相が明らかになってくれば、大統領選で民主党が勝つ可能性は、ますます低くなる。つまりトランプ再選の可能性は高くなるのである。われわれ日本人は、そこをよく考える必要があるだろう。

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