イオングループは、2007年から一部の店舗でレジ袋の有料化を行っていたが、コンビニのミニストップやドラッグストアのウエルシアホールディングス(HD)もプラスチック製レジ袋の有料化を拡大。化粧品、健康食品メーカーのファンケルは今年3月に紙袋への転換を打ち出した。そして遅ればせだが、今年9月にユニクロのファーストリテイリングも追随した。
 
 脱プラの当面の主役は、プラスチック製レジ袋に代わる、手提げ用の紙袋にほかならない。紙袋で最大手企業であるザ・パックは「色々な企業から紙袋に引き合いが活発化している」(藤井道久常務コーポレート本部長)と表明。紙袋製造企業は百貨店の退店などにより低迷に直面していたが、脱プラによって需要に強い追い風が吹いている。

 ただ、紙袋が完全に「エコ」であると言い切れない面もある。紙製品はもちろん自然由来であるが、木材チップからパルプ、パルプから紙に加工する段階で大量の重油を使用する。また森林資源の保全という問題も抱えている。

 紙関連業界は、FSC(フォレスト・スチュワードシップ・カウンシル=森林管理協議会)認証を取得して森林保全に配慮する企業姿勢を見せているのだが、自然由来だけに、紙製品を大量に供給・消費すれば森林資源の枯渇につながりかねない。脱プラでプラスチック製袋から紙袋に需要が切り替わるのは確かに悪いことではない。しかし、それはそれで手放しで良いことばかりではないのだ。

 脱プラの切り札として、当面は紙袋に需要が大きく回帰するのは間違いない。だが、紙袋の問題は、企業にとってプラスチック製袋に比べるとコスト面でかなり割高である。しかも今後、さらに価格が上昇していく可能性もある。
紙袋に入れた商品を手渡すH&Mジャパンの男性従業員=2019年2月、東京都渋谷区
紙袋に入れた商品を手渡すH&Mジャパンの男性従業員=2019年2月、東京都渋谷区
 2018年後半には製紙大手企業が紙袋の原材料となるクラフト紙の15%超の値上げを実施した。製紙企業は、原材料である木材チップ、パルプ価格の上昇を値上げの理由としている。製紙企業は人手不足による物流費高、人件費の高騰なども値上げの理由として並べている。

 紙袋企業はクラフト紙などの原材料高を受け、製品価格への転嫁を進めているが、脱プラにより紙袋への需要が一極集中するといった事態が起こっており、こうした需給要因からも価格転嫁が浸透しているのだ。