総選挙後は、毎週金曜日に座り込みを続けた。この行動が注目を浴び、座り込み開始日にスウェーデンで報道され、1週間以内には欧州主要6紙が報道し、スウェーデンとデンマークのテレビ局がインタビューを放映した。他国でも彼女の行動を真似る生徒が現れ、さらに、ドイツ、スイス、豪州などにおいて金曜日に学校ストライキを行う動きが始まり、世界の多くの国に拡大した。

 彼女は、多くのマスメディアのインタビューに答えているので、インタビューから彼女の考えを知ることができる。彼女の母親は著名なオペラ歌手だが、その著書の中で彼女がA.D.H.D.(発達障害)、アスペルガー症候群と診断されていることを明らかにしている。

 また彼女自身もインタビューの中でアスペルガーに触れている「そのため、世界を少し異なる視点で見ることができる。また、アスペルガーの人は、一つのことに特に関心を持つことが普通」と説明している。

 彼女は9歳(インタビューによっては8歳)から気候変動問題に関心を持ち、アスペルガー故に一つのことを何時間も、何年間も行うことができると説明している。

 彼女は、肉食も、無駄なものを買うことも止め、2015年には航空機の利用を止めた。翌年には母親も航空機の利用を止め、国際公演を諦めることになった。家に太陽光発電と蓄電池を導入し、郊外の家庭菜園で野菜を育てることにした。電気自動車はあるが、利用することは少なく、自転車で出かけるのが普通らしい。

 「スウェーデンは温暖化に先進的に取り組み、豊かな国は年15%排出量を削減すべきと科学者が同意しているにもかかわらず、2018年の第1四半期スウェーデンの排出量は3.6%増加している。気候変動による破滅を防ぐ政策が必要。いま戦争状態の危機にあるとしてシステムを変える必要がある」と彼女は主張している。

 この行動は大きな広がりを見せているが、彼女も様々な場で発信を続けている。1月のダボス会議には32時間列車に揺られ参加し、ホテルではなく零下12度の屋外のテントで宿泊している。「一部の人たち、企業、政策決定者は、想像できない多額のお金を作るためお金には代えられないものを犠牲にしてきたことを正に知っている。この部屋にいる多くの人たちはそちら側だと思う」と世界のリーダーを前にスピーチしている。

 彼女の行動に触発されたのは、生徒、学生ばかりではない。英国では「絶滅に抵抗」(略称XR)が昨年10月発足した。気候変動による絶滅を防ぐことが目的とし平和的不服従運動を進めるとしている。
ヨットから手を振るグレタ・トゥンベリさん=2019年8月14日、英南部プリマス(AP=共同)
ヨットから手を振るグレタ・トゥンベリさん=2019年8月14日、英南部プリマス(AP=共同)
 世界の多くの地に広まり、XRによると日本でも東京と京都にグループがあるようだ。今年4月15日からは世界各地で不服従運動を開始するとし、33カ国80都市で実行されたが、その中心となったロンドンでは大混乱が発生した。

 ロンドン中心部のオックスフォード・サーカス、ウォータールー橋、鉄道駅などで、道路を塞ぐ、客車の上によじ登る、接着剤で客車あるいはフェンスに体を貼り付けるなどの交通妨害を行った。

 4月21日、運動の中心となっているマーブルアーチにトゥーンベリが現れスピーチを行っている。行動は4月26日に終結したが、ロンドンでの逮捕者は1088名と発表されている。