「『女官』や『出仕』といったお世話係のほとんどは、英語を自在に操ります。語学ができることが必須条件ではありませんが、縁故での採用でいわゆる“良家のお嬢様”や帰国子女が就くことが多いため語学力が高い。そういった身の回りの女性を相手に英語のやりとりをすることが、愛子さまの日々のトレーニングになっている」(同前)

雅子皇后は「最高の家庭教師」

 愛子内親王にとって女官や出仕以上の「最高の家庭教師」──それは母である雅子皇后だ。「何時間も付きっきりで指導されることもある」(同前)という。

 天皇にとっても雅子皇后は“先生”だ。それが現われたのが、皇太子時代の2015年11月、米ニューヨークの国連本部で行なわれた『水と災害に関する国際会議』での基調講演だった。

「35分にわたるスピーチは非常に格調高く、かつ説得力に溢れたものでした。陛下はその原稿の添削を雅子さまに依頼し、自ら何度も練り直したそうです。イントネーションや間の置き方などについても積極的にアドバイスを求めていたようです。一番近くにいる“先生”の助けを借り、皇族としての品格や教養を感じさせる英語を使いこなそうとしている」(前出・皇室記者)

「目標」ではなく「手段」

 皇族方はほとんどが英語圏への海外留学を経験している。中学、高校時代に数週間~1か月のホームステイをし、その後、大学卒業までに長期留学を経験するというパターンが多い。皇族が選ぶホームステイ先には、ある共通の傾向がある。

「1974年に当時中学3年だった天皇陛下がオーストラリアで11日間のホームステイをした際、上皇ご夫妻が出した受け入れ先の条件は『同じ年頃の子供がいる家庭』でした。同年代との交流が、国際的な視野を持つことに繋がるという考えです。2013年にアメリカで1か月ホームステイした佳子さまも、ステイ先には同世代の子女がいた」(同前)
栃木県の那須塩原駅から静養先に向かわれる天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2019年8月(代表撮影)
栃木県の那須塩原駅から静養先に向かわれる天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2019年8月(代表撮影)
 天皇はある講演会での質疑応答でこのように語ったことがある。

「各国の方とお友達になったとき、日本の文化、風習、伝統、“日本はこういう国なんだ”と海外の方に直接お伝えできます。自分の知識を深めるのと同時に、日本のいいところをどんどん世界に広めるためにも留学はいい機会だと思います」(2015年に学習院大学で行なわれた、三笠宮彬子女王の『オックスフォードに学んで』講演)

 皇族方にとって、英語習得自体は「最終目標」ではない。日本の代表として世界と向き合うための「手段」なのだ。当然、英語への理解やモチベーションも高くなる。その自覚の強さこそが、高い語学力の礎なのかもしれない。

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