今回の御譲位は、先帝陛下が玉音放送で「皆で考えてほしい」とおっしゃられたので、実現した。国民の9割が賛成した。多くの国民は先帝陛下が何をおっしゃったかよく分からなかっただろうが、「陛下がおっしゃるならば」と賛成した。翻(ひるがえ)って、「女系」「女帝」のアンケートは何なのか。マスコミが勝手にやっているだけである。

 そもそも今上陛下が、「愛子を天皇にしてくれ」と公に言ったのか? そうおっしゃったのを聞いた者がいるのか? 国民は知識こそないかもしれないが、まやかしで皇室を壊されるほど頭は悪くない。

 現に、秋篠宮家バッシングも下火になりつつある。なぜか?

 悠仁親王殿下がおわすからである。殿下が齢13歳にして初めての外国旅行に行かれるとのニュースが流れ、バッシングの勢いは止まった。秋篠宮家への誹謗(ひぼう)中傷は目に余るものがあったが、ところが、最初の訪問先が親日国で王制のブータンだと聞いて、安心した国民は多いのではないか。「なんだ、秋篠宮家の教育は、しっかりしているではないか」と。

 このまま、旧宮家の皇籍復帰も、女系女帝女性宮家などの方策が行われなかった場合、つまり「引き分け」の場合、どうなるか? ここが形勢判断の急所だ。

 悠仁親王殿下が無事に御成人なさる。ご結婚なさる。男の子が生まれる。その子がお継ぎになる。この時点で、皇室の伝統は完全に守られる。女系女帝女性宮家など、出る幕がない。

 もちろん、ご結婚が遅れる、そもそもご公務が忙しくてお世継ぎづくりができない、男の子が生まれない、なども想定される。そうしたことがないようにしなければならない。また、悠仁殿下がご即位の折には、男性皇族が一人もいなくなる。宮家も絶えてしまう。由々しき事態だ。

 もちろん、そのときに今から備えて旧皇族家の皇籍復帰が望ましい。今から旧皇族の方々に復帰していただければ、その方々のお子様方は、生まれたときから皇族だ。悠仁殿下をお支えする皇室の藩屏(はんぺい)となる。
ブータンのワンチュク国王夫妻の長男で、3歳の王子と交流される秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=2019年8月、ブータン・ティンプー(ブータン王室広報局提供)
ブータンのワンチュク国王夫妻の長男で、3歳の王子と交流される秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=2019年8月、ブータン・ティンプー(ブータン王室広報局提供)
 安倍首相に高望みしても無駄だが、仮にこれが通らなくても、邪悪な女系女帝女性宮家を阻止してくれれば及第点ではないだろうか。

 もちろん、皇室の前途は何も考えなくても安泰というほどではない。しかし、「引き分け」イコール勝ちなのだ。少なくとも現時点では勝ちだし、その有利を将来の完勝につなげる余地は大いにある。

 皇室はこうあってほしいなどと大それたことは言えない。ただ、昨日と同じ今日が、明日も続いてほしい。皇室は日本が変わらず存在する象徴なのだ。(文中一部敬称略)