2019年10月24日 13:01 公開

イギリス東部エセックス州で23日、トラックの冷凍用貨物コンテナの中から39人の遺体が見つかった。警察はトラック運転手を逮捕するとともに、遺体の身元確認を進めている。

エセックス警察によると、遺体のうち38人は成人で、残る1人は10代とみられる。身元の確認は「長期の作業」になるとしている。

貨物コンテナは、ベルギー・ゼーブルージュ港で輸送船に積まれ、23日午前0時半ごろ、英テムズ川沿いのパーフリート港に運び込まれた。

北アイルランドから来たトラックがこのコンテナを引き取り、午前1時5分過ぎに同港を出発。その約30分後、ロンドン近郊グレイズにあるウォーターグレイド工業団地で、救急隊員が遺体を発見した。


警察は、トラックを運転していた北アイルランド・アーマー州ポータダウン出身のモウ・ロビンソン容疑者(25)を逮捕し、取り調べを進めている。

北アイルランドの警察は、容疑者と関連のある民家2軒を家宅捜索している。

英国家犯罪対策庁(NCA)は、犯罪組織が関わった可能性を視野に、捜査員を派遣したと述べた。


ブルガリアで車両登録

ブルガリア外務省の報道官は、トラックは同国で登録された車両だと公表した。アイルランド人所有の企業名で登録されているという。

報道官は、発見された遺体がブルガリア人である可能性は「非常に低い」と述べた。

「想像を絶する悲劇」

ボリス・ジョンソン英首相は、「想像を絶する悲劇で、本当に心が痛む」と話した。

ジョンソン氏は議会の首相質問で、議員を代表して死者とその家族への哀悼の意を表明。「最新の情報を得ている。内務省とエセックス警察は緊密に連携し、何が起きたのか解明する」と述べた。


過去にも移民の死者

国連は2014年以降、移動中に死亡した移民の人数を集計している。

イギリスではこれまでトラックやコンテナから計5人の遺体が発見されている。

  • 2014年、エセックス州ティルベリー港でコンテナの中から、アフガニスタン人移民の生存者34人とともに、1人の遺体が見つかった。
  • 2015年、スタフォードシャー州ブランストンの倉庫で、イタリアから運ばれた木箱の中から移民2人の遺体が見つかった。
  • 2016年、オックスフォードシャー州バンベリーで、トラックの下部にしがみついていた18歳の移民が圧死した。
  • 2016年、ロンドン南東ケント州で、フランスから来たトラックの後部から1人の遺体が見つかった。

2000年には南東部ドーヴァーで、トラックの中から窒息死した中国人移民58人の遺体が発見された。

オーストリアでは2015年、放置されたトラックの中から71人の遺体が見つかった。警察は、ブルガリアとハンガリーの組織による人身取引の途中で発生したとの見方を示した。

BBCのマーク・イーストン内政担当編集長によると、近年、ドーヴァー海峡の警備は厳しくなっており、イギリスへの密入国を請け負う業者は別のルートを使っているという。

また、密入国の方法もリスクの高いものに変わってきているという。従来はトラックの中に隠れる方法が多かったが、最近では冷凍コンテナを使うケースも出てきている。

移民はそうした危険な移動に1万ポンド(約140万円)以上を払っているという。

(英語記事 Work starts to identify 39 bodies found in trailer