2019年11月05日 11:30 公開

イギリス下院は4日、ジョン・バーコウ下院議長の後任に最大野党・労働党のサー・リンジー・ホイル副議長を選出した。

4回にわたる投票の結果選ばれたサー・リンジーは、下院の慣習に従い、複数の議員に引きずられて登壇。「中立的な」議長になることを誓った。

議長は、下院の審議を取りまとめ、発言する議員を指名する。政治的に中立を守るため、サー・リンジーは労働党から離脱する必要がある。

サー・リンジーは、前任のバーコウ氏の下で副議長を務めていた。バーコウ氏は10年にわたって議長職にあったが、9月に翌月末をもって退任すると発表。バッキンガム宮殿は11月4日、正式にこれを認めた。

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議長選には7人が立候補していた。サー・リンジーは4回目の投票で労働党のクリス・ブライアント議員と一騎打ちとなったが、325対213で勝利した。

ランカシャー州コーリー選出のサー・リンジーは最初の演説で、「下院は変化するだろう。でもそれは良い方向への変化だ」と話し、「透明性の高い」議長になると約束した。

また、2017年に自宅で死亡しているのが発見された娘のナタリー・ルイス・ホイル(当時28)さんに言及し、「ここにいない人が1人いる。娘のナタリーだ。ここにいてくれればと思う。家族みんなにとって、彼女は全てだった」と語った。

ボリス・ジョンソン首相は、サー・リンジーの議長就任をたたえるとともに、平議員を「守り」、議長として「持ち前の優しさと分別」を発揮してほしいと話した。

「議長殿、当選おめでとうございます。他の立候補者も力強く素晴らしい演説をされたが、あなたは非常に強い競合相手に打ち勝った。そして議長殿、あなたを何年も見てきましたが、非常に良い資質をお持ちだ。仰ったとおりに平議員を守ってくれること、首相質問の際には厳しく合理的な立場を守ってくれることを期待している」

労働党のジェレミー・コービン党首は、サー・リンジーは議長として状況判断に長ける必要があると指摘した。

一方で、サー・リンジーはこれまで、下院議員や職員の福祉を「非常に、非常に真剣に」考えてきたと話し、今後もそうしてほしいと語った。


下院議長の仕事とは

下院議長の役割はここ数年で非常に注目され、精査されるようになった。前任のバーコウ氏は平議員の影響力を高めたことで評価された一方、議会の規定を拡大解釈したという批判も受けた。

さらに、イギリスの欧州連合(EU)離脱について、バーコウ氏が中立性を保てなかったという指摘もある。

議長は政府が提出した法案に対し、議員が提出した修正案のどれを審議・採決にかけるかを決めることができる。ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐっては、この権力が非常に大きな意味を持っている。

また、議会のルールを維持する責任を持つのも議長だ。バーコウ氏はブレグジットの議論の中で、一度否決された法案は同じ会期に再び採決できないというルールを適用し、一部の議員から怒りを買った。

このほか、急を要したり重大な案件について下院に閣僚を召喚し、緊急質問を開く権利も持っている。


(英語記事 Sir Lindsay Hoyle elected as Commons Speaker