2019年11月13日 12:39 公開

オーストラリアの最高裁判所は12日、児童に対する性的暴行で有罪判決を受けた、ローマ法王庁前財務長官で枢機卿だったジョージ・ペル受刑者(78)に、上告の機会を与える判断を下した。

ペル受刑者に対しては、メルボルン地裁の陪審団が昨年12月、全員一致で有罪評決を出し、今年3月に6年の禁錮刑を言い渡した

控訴は棄却されており、ペル受刑者は仮釈放が認められる2022年10月まで服役することになっている。

ペル受刑者は、性的暴行で有罪となったカトリック教会の聖職者としては最高位。

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ペル受刑者は、1996年に16歳未満の子供相手に性行為をした罪と、16歳未満の子供へのわいせつ行為4件について有罪判決を受けている。

上告審は来年開始か

しかし、ペル受刑者と弁護団は一貫して無罪を主張。陪審員が理にかなった評決を行うには証拠が不十分であり、、陪審員は被害者の「裏づけのない証拠」に頼りすぎていたとして控訴したものの、ヴィクトリア州最高裁の控訴院は8月に2対1でこの主張を退けた。

今回、上告が認められたことで、ペル受刑者はあらためて、裁判官の判断が誤っていると主張する機会を得た。上告審は来年に最高裁で開かれる予定で、判決には7人の裁判官の過半数の賛成が必要となる。

ローマ法王フランシスコ1世の側近だったペル受刑者が有罪となり、カトリック教会には激震が走った。ヴァチカンのローマ法王庁は、受刑者は聖職者としての活動を禁じられたと発表。ペル受刑者は昨年12月の時点で、法王の側近から外された。

一方でローマ法王庁は、ペル受刑者には「最後まで自分を弁護する」権利があると述べている。

(英語記事 Cardinal Pell wins right to contest abuse verdict