2019年11月15日 10:39 公開

2020年のアメリカ大統領選に向けた民主党候補選への締め切りが迫る中、バラク・オバマ前大統領と親しいデヴァル・パトリック前マサチューセッツ州知事(63)が14日、出馬を表明した。

パトリック氏はこの日、オンラインのビデオメッセージで、「今回選挙では、不人気で分断を生む指導者を排除すること以上に、それも大事だが、皆さんのために結果を出すことが重要だ」と訴えた。

連邦検事出身のパトリック氏は、クリントン政権時代に公民権担当の司法次官補を務めた後、黒人として初めてマサチューセッツ州知事に当選。2007年から2期8年を務めた。直近では、投資会社ベインキャピタルの代表取締役だった。

<関連記事>

民主党の候補者指名争いには、ジョー・バイデン前副大統領(76、民主党)やバーニー・サンダース上院議員(78、無所属)、エリザベス・ウォーレン上院議員(70、民主党)などがこれまでに立候補しており、パトリック氏で18人目となる。

民主党の候補者争いの正式な投票は3カ月後の来年2月、アイオワ州党員集会とニューハンプシャー州予備選から始まる予定。

否定から一転

パトリック氏は昨年、出馬の可能性を否定していた。しかし民主党候補指名を争う予備選の開始が3カ月後に迫る中、選挙プロセスは「残酷」だとして、一転して指名争いに名乗りを上げた。

いくつかの州ではすでに立候補の締め切りが終わっており、パトリック氏の選択肢は限られる。アラバマ州は先週、アーカンソー州は12日に、それぞれ立候補を締め切った。しかし、州知事を務めたマサチューセッツ州に隣接するニューハンプシャー州の予備選で、パトリック氏は勢いづく可能性があるとの見方もある。

パトリック氏が、大統領選に向けた討論会に参加するために必要な支持や資金を獲得できるかは不透明。

こうした中、富豪実業家で前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(77)も出馬に意欲的だと報じられている。ブルームバーグ氏は、2つの州に書類を提出済みだが、正式な出馬表明には至っていない。


<解説>アンソニー・ザーカー、BBC北米担当記者

民主党候補の選択肢がついに狭まりつつあると思ったら、また広がり始めた。

まず、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が、出馬に向けて動き始めた。そして今回、デヴァル・パトリック氏が思い切って指名争いに飛び込んだ。

前マサチューセッツ州知事が民主党の指名獲得に向けて本気で有力候補になりたいなら、それはかなり大変なことだ。ブルームバーグ氏とは違い、まるで無限の潤沢な資産があるわけではない。大統領選に出て成功するかしないかの大事な鍵となるのは集金力だが、パトリック氏は予備選開始まで残りわずか数カ月という段階で、ゼロからスタートすることとなる。

パトリック氏は、自分のカリスマ性と、マサチューセッツ州と接するニューハンプシャー州での予備選に集中することで、勢いを得ようとしているようだ。

自分は民主党の中でも前向きな中道派で、トランプ政権によって分断された国をまとめることができると、アピールしている。

パトリック氏はさらに、オバマ夫妻を親しい友人と呼ぶ、カリスマ的なアフリカ系アメリカ人でもある。


(英語記事 Obama friend makes late entry to crowded 2020 race