2019年11月20日 14:16 公開

スウェーデンの検察当局は19日、告発サイト「ウィキリークス」共同創設者ジュリアン・アサンジ被告(48)に対する、2010年の強姦容疑事件での捜査を打ち切ったと発表した。

スウェーデン検察は、「問題の出来事から長い時間が経過し、証拠能力が大幅に弱まったことから決断した」と説明した。ただし、被害を訴えた女性の証言は信用できると述べた。

アサンジ被告に対しては、2010年にストックホルムであったウィキリークスの集会後、1人の女性が強姦、別の女性が性的暴行の被害に遭ったと、それぞれ訴えている。

同被告は一貫して容疑を否認。合意の上での性行為だったと主張している。

アサンジ被告はまだコメントを出していない。一方、ウィキリークスは捜査打ち切りを歓迎した。

クリスティン・フラップソン編集長は、「アサンジ氏が長年警告してきた脅威に意識を向けよう。アメリカの敵意ある訴追と、それが表現の自由に及ぼす脅威こそが問題だ」と述べた。

ロンドンの刑務所に

アサンジ被告は、スウェーデンへの身柄引き渡しを逃れるため、2012年から7年間、ロンドンにあるエクアドル大使館に身を寄せて保護を求めていた。

しかし今年4月、同大使館から強制退去された。その後、保釈の条件に違反したとして、裁判で禁錮50週間が言い渡された。

現在は、ロンドンのベルマーシュ刑務所に留め置かれている。

「被害証言は信用できる」

スウェーデンの捜査当局は、アサンジ被告の強姦容疑事件の捜査を2017年から中断していた。しかし、4月に同被告がエクアドル大使館を退去させられたことから、捜査を再開した。

スウェーデン検察の幹部はこの日、「被害者は信用できる説明をした」と述べた。

さらに、「彼女の証言は一貫性があり、広範かつ詳細だ。しかし、証拠能力が弱まり、捜査を継続する理由がもうなくなったというのが私の見解だ」と加えた。

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検察当局はまた、捜査打ち切りの判断は、事件の証人7人と話をした上でのものだと話した。

アサンジ被告に対しては、強姦容疑のほか、性的虐待と違法な強要の疑いもかけられていた。ただし、それらの事件は2015年に、時効のため捜査が打ち切られた。

米国が引き渡しを要請

アサンジ被告をめぐっては、アメリカもイギリスに対し身柄引き渡しを求めている。

米当局は、同国の軍事と外交に関する機密情報が2010年にウィキリークスで公開されたことに、同被告が関わったとみている。

アサンジ被告はアメリカで有罪となった場合、最高5年間の禁錮刑が言い渡される可能性がある。

イギリスのサジド・ジャヴィド内相(現財務相)は今年6月、アメリカの身柄引き渡し要請を認めた。

裁判官が刑務所にとどめる

アサンジ被告は9月、刑期を終えてベルマーシュ刑務所から出所する予定だった。

しかし裁判官は、同被告の「逃亡歴」を理由に、来年2月にロンドンのウエストミンスター治安裁判所で予定されている身柄引き渡しの公判まで、刑務所にとどまるよう命じた。

アサンジ被告は、この公判を遅らせるよう主張したが、裁判官は先月、この訴えを退けた。

BBCのキャロライン・ホーリー編集委員(外交問題担当)は、「スウェーデンでの法的問題が終結し、この物語の長大な1つの章が終わりを迎えた。しかし、アメリカを舞台とした別の章は始まったばかりだ」と伝えた。

(英語記事 Sweden drops Assange rape investigation