2019年11月25日 14:04 公開

米富豪実業家で前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(77)は24日、2020年の米大統領選の民主党候補者争いに参戦すると明らかにした。

声明でブルームバーグ氏は、「ドナルド・トランプを倒し、アメリカを再建する」ために立候補すると述べた。

「いまほど結果が大きく影響するときはない。我々はこの選挙に勝たなくてはならない」

現在、民主党の候補者争いは17人が繰り広げている。ジョー・バイデン前副大統領とエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州)が有力視されている。

ブルームバーグ氏は、現状ではトランプ大統領に太刀打ちできないと懸念しているという。

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民主党の候補者争いでは、すでに数カ月にわたり討論会が開かれている。

討論会ではサンダース氏やウォーレン氏が相次いで、富裕層に対する増税を提唱。9月に増税案を発表したサンダース氏は、「億万長者は存在すべきではない」と主張した。

また、トランプ大統領は今月に入って、「リトル・マイケルほど選挙を戦いたくない相手はいない」とブルームバーグ氏を揶揄(やゆ)していた。

ブルームバーグ氏とは

米経済誌フォーブスによると、ブルームバーグ氏の総資産は544億ドル(約6兆円)と、アメリカで8番目に裕福とされている。

マサチューセッツ州に生まれ、ウォール街の金融マンを経て、自身の名を掲げる金融情報サービスグループを築いた。

教育や保健の向上などの目的に何百万ドルも寄付してきた慈善家としても知られる。

元来は民主党員だったが、2001年のニューヨーク市長選を前に共和党員に転向。同党から立候補して当選し、2013年まで3期つとめた。

昨年、民主党員に復帰。気候変動や銃規制にも関心を持っているという。


<解説>ブルームバーグ氏の出馬、なぜ? ――アンソニー・ザーカー北米担当記者

ブルームバーグ氏はデータを非常に重要視しているビジネスマンだ。しかし定量分析のプロでなくとも、民主党の地盤がこの時期にきてなお不安定な状態にあることには気づけるだろう。

アメリカ全土や、予備選が早く行われる州で行われている世論調査によると、4人の候補者がトップ争いをしている。それぞれに強みがあるが、弱点もある。

ブルームバーグ氏の戦略は、これらの州で先に他の候補者に争わせ、候補者が少なくなったところで、候補選の集中する3月にさまざまな州で選挙に臨むというもののようだ。

リスクの高いやり方だが、ブルームバーグ氏の持つばく大な富をもってすれば可能だ。

だが、今日の民主党員がブルームバーグ氏に飛びつくには、非常に大きな賭けに出る必要がある。このニューヨーク市の大富豪は元共和党員で、企業を優遇し、財政的には保守的な施策を数々打ち出してきた一方、国民保険制度と大麻合法化には反対しており、過去には警察の強権的な取り締まりを支持していたからだ。

しかし、ブルームバーグ氏の立候補は少なくとも、危険な左派に寄っていると同氏がみている民主党を、ビジネス支持の中道へ戻す役割を果たすことになるだろう。


(英語記事 Bloomberg officially joins race for US president